【グリーンパワーインベストメント、NTTインフラネット】埋設ケーブル周辺工事可視化 | 建設通信新聞Digital

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【グリーンパワーインベストメント、NTTインフラネット】埋設ケーブル周辺工事可視化

立会受付Webシステムのイメージ

 NTTインフラネットが提供する「立会受付Webシステム」は、共同受付システムの活用により、未照会工事の削減、他工事による自社設備損傷事故の抑制に効果を発揮し、インフラ事業者の導入が加速している。日本における再生可能エネルギー事業の草分けであるグリーンパワーインベストメントの取り組みを紹介する。

 再生可能エネルギーのリーディングカンパニーであるグリーンパワーインベストメントは、2004年の創業時から一貫して再エネ発電施設の開発、建設、運営に取り組み、近年は売電事業も展開している。政府が12年にFIT制度(固定価格買取制度)を開始する以前から再エネ発電事業を手掛け、国内の再エネ事業の草分けとして日本のエネルギー自給率向上と地域振興に取り組んできた。

 同社の主力事業となる風力発電施設は、陸上や洋上に設置した風車が発電する電気を、変電所にケーブルで送電している。案件によっては最長約60㎞におよぶ長距離ケーブルを主に道路の地下に埋設しているため、自社設備に影響を与える道路工事への安全対策が課題となっていた。

 道路工事の施工者は、事前に掘削範囲に埋設された設備の有無を照会するため、通信、電力などの各インフラ事業者に電話やファクスなどで工事内容を照会するが、施工者が認知できない場合、連絡漏れが生じるなどして未照会のまま工事が行われることがある。こうした課題を解決するべく、未照会工事の削減、他工事による自社設備の損傷事故抑制を目的として、NTTインフラネットの「立会受付Webシステム」を導入した。

 同システムでは、通信、電力、ガス、上下水道など事業者ごとに少しずつ異なる申請フォーマットを一元化している。施工者がウェブサイトから申請すれば、工事範囲付近に設備を持つインフラ事業者に一括して申請を送信できるのが最大の特徴だ。

岩井氏


 グリーンパワーインベストメント運用管理本部副本部長兼東日本エリア統括部長の岩井信樹氏は「当社の今までの運営方法では難しかったところを改善できる画期的なシステム」と感じ、25年4月に契約して導入準備を開始。同社の発電設備7カ所全てのケーブルのデータをNTTインフラネットに一括して登録してもらい、試行を経て25年7月1日から正式に運用開始した。

 それまでは、同社がケーブルを埋設した後、いつ誰がどの道路を掘削しているかを把握できなかったが、岩井氏は「立会受付Webシステムに参加することで当社のケーブルの近くを掘削するときは申請時に自動で連絡が来るようになった。逆にいえば情報が来ない限りは工事もしていないため、安心できる」とサービスのメリットを挙げる。

 一般に道路の掘削工事は上下水道や電気、通信、ガスなどが整備された都市部に多く、発電所の設置されるエリアは、都市部に比べ道路の掘削工事自体が少ない。同社が経験したのも「道路沿いのコンビニ整備に伴う管工事を実施していた施工者から、当社のケーブルを見つけたから確認してほしい」という問い合わせが来た程度で、連絡が入ることがほとんどない状況だった。

 コンビニ工事の事例も「施工者が見つけたケーブルがどこのものか分からなかったため、電力会社に問い合わせた結果、たまたま当社に連絡がつながった」という経緯だった。「施工者がその地域の道路の地下には何もない」とイメージしていたから申請されなかっただけで、未照会であることによって常に設備事故のリスクにさらされていたのが実情といえる。

大規模風力発電「ウィンドファームつがる」 写真提供:グリーンパワーインベストメント


 同社が立会受付Webシステムを導入して3カ月が過ぎた10月の時点で、既に14件の問い合わせが来ており、工事の情報が可視化されている。導入を主導したウィンドファームつがる発電所所長の齋藤喜三男氏は「自分たちの設備の近くでどれだけ工事が行われていたのかが分かった。今まで問い合わせがなかっただけで、過去も同じ頻度で工事が行われていたと思う。立会受付Webシステムに参画することで未照会工事のリスクをケアすることができる」と効果を語る。

 一方、インフラ事業者として立会受付Webシステムを運用するにあたり、齋藤氏は「特に確認することがない問い合わせは、Webにて回答している。確認したいことがあれば、連絡先やメールアドレスが分かるため直接確認する。近接工事個所があれば立ち会いできるため、本当に使い勝手がいい」と実感する。

齋藤氏

 NTTインフラネットでは、さまざまなインフラ事業者に同システムへの参画を呼び掛けている。道路の掘削工事を実施するときは、施工者が必ずこのシステムを活用し、全てのインフラ事業者に工事内容を照会することにより、未照会工事ゼロ、他工事による設備損傷事故ゼロにつながると考えている。

 グリーンパワーインベストメントは、インフラ事業者と施工者の双方が安心できるよう、今後も再エネ発電施設が完成するたびに同システムに登録する方針だ。岩井氏は「過去にまったくできなかった工事の把握ができるようになったのはすごいことだと思う。共同受付の仕組みにより当社の設備が守られていると実感している。今後も新しい風力発電サイトが立ち上がるため、安全安心を確保できることは当社にとって本当に大切なこと。新たな発電所が完成したら登録していきたい」と力を込める。

 NTTインフラネットが開発した「立会受付Webシステム」の共同受付の取り組みが、日本ガス協会主催の「2025年度日本ガス協会技術賞(サービス技術部門)」を受賞した。「立会受付Webシステムを用いた複数インフラ事業者の工事情報シェアリング化」をテーマに、同社と東京ガスネットワークが連名で受賞した。

 同賞は、ガス事業とガス事業者の発展に役立つ技術開発や、デジタル技術を活用した新サービスを開発した事業者を対象に日本ガス協会が表彰する。立会受付Webシステムは、インフラ事業者全体の「共同受付」をコンセプトに、ガス、通信、電気、上水、下水などのインフラ事業者に対する埋設物調査・立会受付申請での「申請から回答までのワンストップ化」「インフラ事業者同士の工事情報のシェアリング化による保安向上」を実現し、設備照会の受付から回答までを一気通貫で実施する機能が高く評価された。

 従来の道路掘削工事は、施工者が埋設物を保有するインフラ事業者に、個別に電話やファクスもしくは窓口に出向いて工事申請や埋設物の有無を確認する必要があった。立会受付Webシステムは施工者の工事申請を一元的にWebで受け付け、複数のインフラ事業者への申請をワンストップで実施する画期的システムとなる。

 NTTインフラネットでは、全国のインフラ事業者全体での共同受付の実現に向けて協力の輪を広げている。インフラ業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献するとともに、申請漏れ防止による保安効果の創出を目指していく。

 

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