「私が一番嫌いな言葉は『旧運輸省』『旧建設省』。この言葉を少なくとも大臣室では使わないでほしい」。国土交通省の幹部職員らを前にこう呼び掛けたのは井林辰憲国交相。18日に行われた就任あいさつでの一コマだ。
2001年の中央省庁再編に伴い、北海道開発庁、国土庁、運輸省、建設省の旧4省庁が統合して発足した国交省。その翌年に入省した井林氏は10年の退官まで技官として道路畑を歩んだ。国交省OBならではの注文だったといえる。
その後の会見で発言の真意を問われた井林氏は「国交省の最大の強みは現場力と総合力だ。一つの組織になったからこそさらに強みを生かすべきであり、旧4省庁を想起させるような言葉は極力使うべきではない」と説明。「(旧運輸省、旧建設省の)言葉が出ること自体、省庁の統合が進んでいない。そうした言葉が出ない組織文化をつくることも大きな役割だ」と意気込んだ。
国交省発足から四半世紀がたった一方、縦割りの名残ともいえる「旧運」「旧建」の呼称は依然として省内に根強く残る。組織の変革を進め、国交省の現場力と総合力を引き上げられるか。その手腕に注目が集まる。

