【大掃除で災厄払い】側溝や雨樋の清掃は風水害、職場の大掃除は地震災害のリスク低減! | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【大掃除で災厄払い】側溝や雨樋の清掃は風水害、職場の大掃除は地震災害のリスク低減!

 ボウジョレーヌの中井佳絵です。クリスマスが終わり正月休みが待ち遠しい季節。休暇に入ると家の大掃除が待っていて憂鬱~なんて方もいるかもしれませんが。この年末大掃除は、神社仏閣などの「すす払い」が起源で、江戸時代に庶民に広がったという説もあります。1年の厄(やく)や穢(けが)れを払い、正月に清潔になったわが家へ歳神(としがみ)さまをお迎えするという風習が、由来を知らずとも平成の世まで脈々と続いているとは。面倒くさいと思いつつも、日本人のDNAには掃除によって人生の災厄を払いたいという願望が組み込まれているのかもしれませんね(笑)。
 DNAや願望はさておき、砂防や治水事業に携わる業界の皆さまは、「掃除」の重要性を痛感されていると思います。砂防ダムは溜まっている土砂や落ち葉が多ければ、豪雨で土石流などが発生した際に想定どおりの流量を塞き止めることはできませんし、中小河川は草木がうっそうと生い茂っていると氾濫しやすくなりますから、定期的な清掃整備が必要です。ただ最近は河川そのものが暗渠になったり町内会員が高齢化したりし、数十年前まで多くの地域で梅雨前の春と台風シーズン前の秋の年2回行われていた川掃除は、あまり実施されないと耳にします。今月7日に防災講演にうかがった広島市立戸坂中学校区の町内会も、10月週末降雨による延期続きで川掃除を住民で実施できず、結局業者に頼んだそうです。
 戸坂中学校区は、山側から一級河川太田川に向かう勾配が大きい地形で、大雨が降ると山地や山麓地は土砂災害、川側の後背湿地は内水氾濫・洪水の危険性があり、わたしは講演で早めの避難行動はもちろんのこと、普段からできることとして側溝や雨樋などの清掃も大切であるとお話ししました。講演後、校長先生は「業者に任せてことしは楽だったから来年以降も頼もうという意見が町内会員から出てますが、川掃除が災害から自分たちの命を守ることにつながるならできる限り町内会で実施することを考えます」。生徒会長も「自分で自分の身を守れないと、家族や周りの人まで危険にする恐れがあるので適切な避難行動ができるようにしたいです。そして、普段から側溝などの掃除をします!」
 そう! 面倒くさいと敬遠しがちな「掃除」と自然災害を軽減する減災は切っても切れない関係なのです。このことは風水害だけでなく、地震災害にも言えること。書類に埋め尽くされた職場で大地震に見舞われたら致命傷リスクは高まります。28日の仕事納めは職場をしっかり大掃除し、災害リスクを減らして新年を迎えましょう♪ その後ご家庭の大掃除もすると、人生の災厄から逃れられるかも?! 良いお年を(^o^)/
*ボウジョレーヌ:防災女子+アントレプレヌールの略

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