【レガシー活用】登録文化財「旧山口萬吉邸」がビジネス創出拠点「kudan house」に | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【レガシー活用】登録文化財「旧山口萬吉邸」がビジネス創出拠点「kudan house」に

 東京急行電鉄、竹中工務店、東邦レオは、東京都千代田区にある国の登録文化財「旧山口萬吉邸」を改修し、会員制のビジネスイノベーション拠点「kudan house」として運営を始めた。都心からのアクセスの良さと、周辺に自然のある閑静さで、新たな発想やビジネスを創出する場とするのが狙い。竹中工務店の歴史的建造物の保存・活用を促進するレガシー活用事業の初弾となる。
 同邸は、ガラスの販売で蓄財した山口萬吉(5代目)が、地下1階地上3階建て延べ約850㎡のスパニッシュ様式の洋館として1927年に建設した。設計は、東京タワーなどの電波塔や耐震構造の確立で有名な内藤多仲、宮廷建築家の木子七郎と内藤の弟子の今井兼次が携わった。家具デザインは、鳩山一郎邸などを手掛けた梶田恵が担当した。

1階のようす

 改修では、内観・外観の両方とも見える部分について竣工当初のデザインを残すため、配管やダクトをコンクリートの中に埋設した。
 邸宅の特徴を生かし、利用者同士の距離が自然に縮まるようサロン風の雰囲気を持たせた。また、審美眼を磨き新たな発想の糧としたいとの需要にも応え、和室・茶室や家具なども当初のデザインを残した。収容人数は約120人。
 東邦レオグループのNI-WAが運営する。当面は100-150社の法人会員を募集し、会合の場として活用する。将来的には、個人会員も募集する予定。

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