【2019年度文科大臣賞】河川流量と土砂同時観測手法で土研・水工研究グループに科学技術賞 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

公式ブログ

【2019年度文科大臣賞】河川流量と土砂同時観測手法で土研・水工研究グループに科学技術賞

 2019年度文部科学大臣表彰で、萬矢敦啓土木研究所水工研究グループ主任研究員のグループによる「ADCPを用いた河川の流量と土砂同時観測手法の開発」が科学技術賞を受賞した。17日に文部科学省で表彰された。研究は、萬矢主任研究員、本永良樹河川情報センター河川情報研究所研究第2部主任研究員、橘田隆史ハイドロシステム開発社長が共同で行った。

左から本永氏、萬矢氏、橘田氏

 萬矢主任研究員のグループは、海洋の観測技術として開発された超音波多層型計測技術(ADCP)を用いて河川流速や流砂を観測する手法を研究。ADCPを搭載し橋上から操作可能な小型ボートと、橋上操作艇に各種機器を搭載した観測システムを構築するとともに、表面流速とADCPから得られる水面下の情報を基に河川の流量を精度良く算出する手法を開発した。
 少人数で高精度な流量観測が可能になったほか、河川から離れた位置に設置し流量を測定する非接触型流速計を利活用できる場面が飛躍的に拡大し、流量観測の連続化・無人化の可能性が開かれた。
 萬矢主任研究員は「川に流れている水や流砂の把握はできないというのが河川工学の常識だった。川の中の様子を知りたいという自分の好奇心も強く、そのような現象を見れるようになってうれしい。それ以上に技術が確立できたことで河川管理者を含め皆さまに使っていただき、河川管理に役立ちたい。この賞は3人が代表していただいたが、これまで多くの人に助けられて技術を作り上げてきた。関係者に感謝したい」と話した。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら



関連記事

関連記事は存在しません