【高松宮殿下記念世界文化賞】建築部門の受賞者はウィリアムズ&ツィン氏 日本美術協会 | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

公式ブログ

【高松宮殿下記念世界文化賞】建築部門の受賞者はウィリアムズ&ツィン氏 日本美術協会

 日本美術協会は17日、世界の優れた芸術家に贈る第31回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者を発表した。建築部門には、米国ニューヨークを拠点に活躍する建築家のトッド・ウィリアムズ氏とビリー・ツィン氏が選ばれた。10月17日に都内で受賞記念建築講演会を開く。

ウィリアムズ氏(左)とツィン氏

 ウィリアムズ氏は1943年に米国ミシガン州、ツィン氏は49年にニューヨーク州で生まれた。77年から協働し、86年にパートナーとなった建築家夫妻で、トッド・ウィリアムズ&ビリー・ツィンとして受賞した。
 高層ビルや商業的なプロジェクトには興味を示さず、研究所、博物館、学校などの設計を多く手掛け、そのプロセスを「歩き方を覚える赤ん坊」と表現するように、時間をかけて素材、形態を緻密に分析する。手描きのドローイングや、物事を早く進めることに対抗して「遅さ」(スローネス)を重視するなど、“手造り感”のあるデザインによる穏やかな空間づくりが評価された。
 代表作の「バーンズ財団美術館」(米国フィラデルフィア、2012年)は、自然を取り入れたデザインで旧館の邸宅美術館の荘厳な雰囲気を再現するなど、両氏の哲学が反映されている。

『バーンズ財団美術館』2012年


 米国カリフォルニア州の「神経科学研究所」(95年)やニューヨーク近代美術館拡張のために14年に取り壊された「アメリカ民俗芸術美術館」(01年)を始め、香港、インドでもプロジェクトを手がけている。
 16年には米国のオバマ前大統領とミシェル夫人により、シカゴの「オバマ大統領センター」(22年完成予定)の設計者に選ばれている。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら