【水のう型簡易膨張ダムシステム】新たな浸水対策として地下設備などへの導入目指す タカミヤ | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【水のう型簡易膨張ダムシステム】新たな浸水対策として地下設備などへの導入目指す タカミヤ

 足場などの仮設機材の開発・製造・販売・レンタルを手掛けるタカミヤ(大阪市、高宮一雅会長兼社長)の水のう型簡易膨張ダムシステム「タイガーダム」の総販売本数が1100本を超えた。土のうに代わる新たな浸水対策として自治体や公共施設などでの導入が進んでいる。今後、土のうなどの保管場所が小さい都市部の大型マンションや地下設備への導入を目指す。
 タイガーダムは、長さ約15m、幅約75cmのポリエステル加工膜のチューブに水を入れると、幅55cm、高さ48cm、長さ15mの筒状の水のうとなる。筒状チューブを連結することで、制限なく延長でき、高さもピラミッド状に積めば2mまで設置できる。チューブ本体の重量は注水前で約30㎞と土のうより軽く、エンジンポンプを使えば、大人2-3人で約5分で注水できる。設置時間は、土のうと比べて60分の1になる。撤去や収納時に泥や砂が残ることがなく、コンパクトに収納して繰り返し使える。

建物への浸水対策例。筒状チューブを連結することで制限なく延長できる

 2011年の販売開始以来、宮城県気仙沼市や東京消防庁、横浜消防局、関西国際空港などが導入しており、直近では栃木県小山市に160本を納入した。市の試算によると、耐用年数が1年しか持たない土のうに比べて、タイガーダムは最高10年で、4年目以降にはタイガーダムのコストが土のうを下回るという。

気仙沼漁港設置例

 近年は、大型台風や集中豪雨による被害が相次いでいることから、問い合わせが増加し、19年は既に前年の2倍の販売数となった。10月の台風19号では、大規模高層マンションの地下設備室が浸水して停電するといった被害が出たことで、対策が求められていることから、都市部の高層大型マンションの管理会社や企業、公共施設などに導入を提案する。

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