【気候変動適応に貢献】日本工営 2099年までの主要都市の降雨・気温など 時系列予測データを提供 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

公式ブログ

【気候変動適応に貢献】日本工営 2099年までの主要都市の降雨・気温など 時系列予測データを提供

 日本工営は、気候変動予測における新たなバイアス補正手法「TR3S(トレス)」を開発、主要都市別の2099年までの降雨・気温などの時系列予測データを無料で取得できるポータルサイトNK-Clim Vault(クリム・ボールト)を公開した。精度の高い基礎情報を誰でも取得できるサイトとして、気候変動適応ビジネスやさまざまな分野の研究に活用されることを目指している。

ポータルサイト画面

 各地域の気候予測数値を算出するには、世界各地の研究機関で開発された数多くの気候予測モデル(GCM:General Circulation Model)の出力結果と、現実の観測記録とのバイアス(誤差)をそろえる補正処理が必要となる。
 同社が今回開発したトレスは、既往のバイアス補正手法よりも多面的な統計的特性をそろえて補正ができる技術として、水文分野で権威のある国際学術誌『WRR(Water Resources Research)』誌にも掲載されている。
 気候変動への適応を行うためには、将来の気候が現在からどのように変化するかを把握するためのシミュレーションデータが必要で、これまで同様のデータを活用するには主要な気候予測モデルから算出される膨大な予測データを補正する必要があった。NK-Clim Vaultでは、トレスを使った気候予測値の補正データ、将来気候予測情報(降雨、気温)を世界地図上でブラウズでき、主要都市別の99年までの時系列データを適切に処理された状態で取得可能となる。
 同社では地域計画や企業の工場建設計画などの将来気候変動リスクの検討や、健康、環境、農業などのさまざまな分野の研究での基礎情報で活用されることを想定。また今後開発されていく新たな気候変動モデルなどにも順次対応していくことでオープンイノベーションを促進し、さらに新たなビジネス機会の創出を目指していく。
 
 
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら