【双腕型ロボ開発】触れた感覚を伝送! 遠隔操作で危険個所での作業に期待 NEDOと慶応大 | 建設通信新聞Digital

5月17日 金曜日

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【双腕型ロボ開発】触れた感覚を伝送! 遠隔操作で危険個所での作業に期待 NEDOと慶応大

操作者の動きを再現して水を注ぐロボット

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と慶応大学は共同で、身体感覚を伝送する双腕型ロボット「General Purpose Arm」を開発した。高精度力触覚技術を搭載し、ロボットが物体に触れた感覚を操作者に伝送する。触覚のほか、視覚や聴覚、移動感覚も伝送し、操作者は遠隔地から臨場感のあるロボット操作が可能となる。人間の代替として人手や手間が掛かる作業の自動化や省力化のほか、人間と協調した作業に向けた活用が見込まれる。
 General Purpose Armは、操作用システムのマスターと、作業用システムのスレーブで構成される。マスターを装着した操作者の動きをスレーブが忠実に再現するとともに、スレーブが物体に触れた感覚をマスターに伝送し、操作者はその物体に直接触れているような感覚を得られる。ヘッドマウントディスプレーとステレオカメラからなるビジョンシステムにより操作者はスレーブの視覚、聴覚情報を共有でき、頭の動きに連動して視野も変化する。
 スレーブには移動機構も備えている。マスターの足下にある筋収縮測定システムで操作者が足を動かそうとする力を検知し、スレーブを前後進、回転させることができる。任意の動作情報のデータを記録し、ロボットに再生させることで、操作者が不在でも同様の動きを再現できるほか、編集により動きの高速化なども実現する。
 遠隔地からロボットの操作が可能となるため、放射線環境下や高所、深海など危険が伴う場所や人間が立ち入れない個所でも、安全で確実な作業が期待できる。開発を手掛ける野崎貴裕慶應大理工学部システムデザイン工学科助教は「この技術を幅広い分野で実用化させていきたい」としており、建設機械分野での実用化に向けた共同研究開発も進めている。

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