新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ガイワイヤ支持や、タレットを使った一点係留による浮体・タワー・係留システムの軽量化など、発電コスト低減につながる先進的な要素技術を導入した浮体式洋上風力発電システムのフィージビリティ・スタディー(FS)に着手する。事業期間は2018-22年度で、実現可能性や事業性が認められれば、浮体式洋上風力発電システムを製作し、実海域で1年以上の運転試験を行い、性能やコストを検証する。
実証研究では、浮体と風車タワー頂部をワイヤでつなぐことで強度・剛性を確保し、浮体・タワーを軽量化するガイワイヤ支持や、巨大なベアリングで構成される回転機構(タレット)により、係留システムと浮体の間を自在に回転できるように保持し、浮体が波、潮流から受ける荷重を低減する先進的な要素技術を導入することで、発電コスト低減を目指す。
再生可能エネルギーの普及拡大に向けては、洋上風力発電の導入が期待されているが、国内では遠浅な海域が少なく、比較的急峻な海底地形が多いことから、着床式洋上風力発電に加え、より深い海域に設置できる浮体式洋上風力発電の実用化が求められている。
近年、国内外では浮体式洋上風力発電の実証研究によって技術的な検証が進められおり、今後、実用化と普及を加速するためには、浮体式洋上風力発電の発電コスト低減に直結する先進的な浮体システムが必要になっている。