【パレスチナ・ヒシャム宮殿遺跡を保護!】日鉄建材の製品が海外初採用 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【パレスチナ・ヒシャム宮殿遺跡を保護!】日鉄建材の製品が海外初採用



写真提供・マツダコンサルタンツ



 日鉄建材が販売を手掛けるメンテナンスフリーの外装向けフッ素樹脂ラミネート鋼板「スーパーフロールボンド」が、中東パレスチナの「ヒシャム宮殿遺跡」を保護するための屋根付きシェルターに採用された。同製品の海外での採用は、これが初めて。

 ヒシャム宮殿遺跡は、初期イスラム建築の代表的な文化遺産。その中にある大浴場のモザイク床は、単体で中東最大級の825㎡を誇る。砂じんなどから保護し観光資源としても活用するため、日本政府のODA(政府開発援助)により屋根付きシェルターなどが整備され、ことし8月に完成した。これまで公開できなかったモザイク床などを今後、全面公開する。

 この広範な遺跡を保護する屋根付きシェアルターに、砂嵐などにも強い高耐摩耗性や耐候性などを持つスーパーフロールボンドを使用した。設計主体はマツダコンサルタンツ、設計協力と現地施工指導は三晃金属工業。

 屋根面積2700㎡を立平葺きにより、厚さ0.4mmのスーパーフロールボンドを1スパンの幅を400mmとして現地で成型しながら屋根を仕上げた。総数量は16tに及ぶ。

 スーパーフロールボンドは、同社が2015年(当時は日鐵住金建材)に販売を始めた製品。圧倒的な耐久性により、国内では30年保証が付く。加工性や酸・薬品耐性にも優れ、成型屋根や工場地帯などでも使用できる。

 メンテナンスフリーも実現し、離島や沿岸地域、メンテナンスのために人を入れたくないような施設の外装材向け戦略商品として展開している。現在までの納入実績は数量ベースで215tにのぼる。

 中川智章社長はヒシャム宮殿遺跡への採用について「貴重な文化遺産の整備に貢献できたことは大きな喜び。これを機に国内外で耐候性、耐久性、耐汚染性といったニーズに応えながら地球環境保全に貢献していきたい」と語り、同製品の海外展開にも今後注力する考えを示した。



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