NAAの滑走路延伸/「さらなる機能強化」着工/年間発着50万回へ 地域と空港の未来開く | 建設通信新聞Digital

5月29日 木曜日

関東・甲信越

NAAの滑走路延伸/「さらなる機能強化」着工/年間発着50万回へ 地域と空港の未来開く

鍬入れする田村社長(一番左)、古川副大臣(中央)、熊谷知事(左から5人目)ら
田村社長
 年間発着回数を30万回から50万回に拡大するために滑走路を新設・延伸する「さらなる機能強化事業」の工事が本格的に始まった。成田国際空港会社(NAA)は5月25日、千葉県成田市の本社ビル内で着工式を開いた。田村明比古社長は「滑走路工事の着手は、地域と空港の未来を切り開くものと確信している。安全・着実に進捗(しんちょく)するよう全力を尽くす」とあいさつした。
 成田空港のさらなる機能強化事業は、B滑走路を北側に1000m延伸して3500mとするほか、南側に3500mのC滑走路を新設する予定で、新たな空港の整備に匹敵する工事規模となる。B滑走路は本体造成工事、C滑走路は地盤改良工事に5月25日から着手した。
 式典で田村社長は、成田空港の歴史的経緯とともに、今後20年間で2倍に航空需要が伸びるとされる予測を紹介しながら、「わが国と首都圏の国際競争力強化、訪日外国人旅行者の受け入れ拡大、空港周辺地域の発展のため、さらなる機能強化が喫緊の課題だ。人、物の交流拡大を通じて成長し続け、地域と空港が将来にわたり一体的・持続的に発展するために必要不可欠な事業だ」と強調した。続いて国土交通省の古川康副大臣は「今後、成田空港滑走路新増設推進協議会を開催するなど、用地確保に向けた取り組みなどを加速する。長い歴史と経緯を踏まえて丁寧に進めることが重要だ」と話した。
 来賓としてあいさつした熊谷俊人千葉県知事は「国際的な産業集積拠点の形成に向け、成田エリアデザインセンターを立ち上げた。時機を逸することなく海外の活力を取り込み、産業競争力の強化と経済活性化、空港周辺地域の発展につなげるためには関係者一丸となって拡張事業や産業集積をしっかりと進める」とし、空港圏自治体連絡協議会の小泉一成会長(成田市長)も「第二の開港と言っても過言ではない変革期を迎えている。空港周辺地域の雇用創出や経済活性化などにもつながる最大の地方創生と捉えている」と着工を祝い、期待を込めた。その後、関係者で鍬入れして工事の安全を祈願した。
 B滑走路延伸部関連では、東関東自動車道地下道化その他工事を大成建設、造成・舗装工事を大成建設・日本国土開発JV、C滑走路関連では北側造成工事を西松建設・大林組・東亜建設工業JV、北側トンネル整備工事を大林組・青木あすなろ建設JV、南側造成工事(その1)を大林組・熊谷組・鴻池組・飛島建設・青木あすなろ建設JVがそれぞれ担当している。