公共事業関係費6.3兆円/強靱化実施中計は事項要求/国交省概算要求 | 建設通信新聞Digital

8月27日 水曜日

行政

公共事業関係費6.3兆円/強靱化実施中計は事項要求/国交省概算要求

 国土交通省は26日、2026年度予算の概算要求を発表した。国費総額は一般会計が前年度当初予算比18.9%増の7兆0811億円。このうち公共事業関係費は19.0%増の6兆2819億円、非公共事業は17.9%増の7992億円を要求する。26年度から始まる第1次国土強靱化実施中期計画の必要経費は、予算編成過程で検討する事項要求とした。 =2面に事業費・国費総括表 
       5、6面に局別事業費・国費 要求の柱は、▽国民の安全・安心の確保▽持続的な経済成長の実現▽個性を生かした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり--の3本。
 公共事業関係費のうち、一般公共事業費は19.2%増の6兆2403億円、災害復旧等が前年度とほぼ同額の416億円。一般会計とは別に、東日本大震災復興特別会計に40.3%減の367億円、財政投融資に23.4%増の1兆6413億円を要求する。
 改正建設業法に基づく労務費確保や資材高騰を踏まえた公共事業の必要経費を事項要求とし、必要十分な事業量を確保する方針を示す。北陸新幹線敦賀~新大阪間の新規着工に要する経費なども事項要求とした。
 埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえ、インフラの老朽化対策に1兆0783億円を要求する。上下水道管路の更新や広域的・戦略的なインフラマネジメント、橋梁やトンネルといった道路施設の対策など、予防保全型のインフラメンテナンスに向けた取り組みを推進する。
 流域治水の加速化・深化に向けて7636億円を求める。河川整備計画の見直しや抜本的な治水対策など、気候変動による豪雨や土砂災害などに対するハード・ソフト一体の対策を実施する。
 南海トラフ地震や首都直下地震など切迫性が高まる巨大地震への備えを急ぐ。2479億円を要求し、河川や海岸の堤防かさ上げ、公共施設の耐震化、道路網を守るための土砂災害対策などを進める。
 建設業の担い手確保や生産性向上には8億円を要求。改正建設業法に基づく労務費の基準(標準労務費)の作成と実効性確保、建設現場の働き方改革、ICT活用などに重点を置き、建設業の持続可能性を高める。
 住宅・建築物の耐震化、GX(グリーントランスフォーメーション)・DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の体制強化などの必要経費も盛り込んだ。
 社会資本整備総合交付金は20.2%増の5861億円、防災・安全交付金は20.2%増の1兆0185億円を要求する。
 中野洋昌国交相は同日の閣議後会見で「物価動向をしっかりと反映して要求を行う。3本柱の実現に向けて、公共事業予算をはじめ必要予算が確保されるように全力で取り組む」と述べた。