次代の方法論 見えた/池内会長が総括/土木学会全国大会 | 建設通信新聞Digital

9月12日 金曜日

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次代の方法論 見えた/池内会長が総括/土木学会全国大会

 土木学会の池内幸司会長は、熊本市で開催中の2025年度全国大会を総括した。「社会的課題の解決に向けて幅広い年代の人たちが参加するエポックメーキングな大会になった」と強調。全体討論会や学術講演会など全てのプログラムを通して「幅広い分野の人たちと次の時代をつくる方法論が少し見えてきた」と振り返った。=関連2、20面
 大会テーマのカーボンニュートラルについて「一番の取り組みはより長く使うこと」と指摘し、「これからのものづくりは、20、30年後に最適化するのではなく、予防保全しながら100年以上にわたって活躍し続けるモノをつくることが重要だ」と強調した。
 また、強靱化の観点から流域治水に触れ、「各地方整備局の各事務所が核となり、住民や民間企業を交えて議論する必要がある」と指摘した。
 11日に熊本市の熊本城ホールで開かれた会見に同席した、実行委員長の垣下禎裕九州地方整備局長は「カーボンニュートラルとレジリエンス(強靱化)を両立させる取り組みが重要になる。土木分野のイノベーションを加速させて、次世代に安全・安心で豊かな社会を引き継ぐ方策を探す大会になった」と述べた。
 今回で80回目を数える全国大会は、8日から12日までの5日間、熊本市の熊本城ホールと熊本大黒髪キャンパスで開いている。テーマは「気候変動時代の土木イノベーション カーボンニュートラルとレジリエンスで創る持続可能な社会」。
 8、9日はオンラインで研究討論会を実施した。10日の池内会長の基調講演や全体討論会などの参加登録者数は約1300人。10-12日の年次学術講演会は、全7部門で過去最多となる4814編(このうちポスター1434編)の発表を予定している。
 26年度の全国大会は8月31日から9月4日までの5日間、札幌市内の大学で開かれる。