インフロニアHD/三井住友建設グループ入り業績を上方修正/請負・脱請負両面で統合効果 | 建設通信新聞Digital

10月5日 日曜日

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インフロニアHD/三井住友建設グループ入り業績を上方修正/請負・脱請負両面で統合効果

 インフロニア・ホールディングス(HD)は、三井住友建設のグループ入りに伴って2026年3月期の業績予想と中期経営計画の業績目標を上方修正した。1日に会見した岐部一誠社長は「前田建設で進めてきた受注規律の徹底を導入することで、建築事業の早期回復を見込んでおり、共同調達によるスケールメリットや両社のエンジニアリング力を生かして競争力を強化する。脱請負分野では新たな案件への取り組みが増やせるほか、三井住友建設が強みを持つ海外でのPPP・PFI案件などを加速させる」と力強く語った=写真。 26年3月期業績は当初計画に比べて、売上高が2347億円増の1兆1310億円、事業利益が228億円増の773億円、当期利益が176億円増の510億円とした。主な要因は三井住友建設の連結子会社化、東洋建設の株式譲渡、金融資産の評価益計上など。
 25-27年度を計画期間とする中期経営計画では27年度の事業利益を300億円増の1000億円、当期利益を200億円増の630億円に上昇修正した。単純な三井住友建設の利益の追加だけではなく、統合による効果をそれぞれ100億円、90億円分含んでいる。
 統合の効果については、請負事業での競争力強化と脱請負事業の拡大、拠点などの一体化による経営効率化を見込む。当面は販管費の効率化などによる効果が大きいが、「(連結子会社化した)26日以降は受注調整が可能であるという見解を国土交通省、公正取引委員会からいただいている」(岐部社長)とし、今後はグループによる総合的な受注戦略を展開する。海外でのコンセッション参画も計画しており、30年以降の具体化を目指す。
 三井住友建設の建築事業の回復時期については、早ければ来期からを見込む。1日付でインフロニアHDの執行役となった三井住友建設の柴田敏雄社長も「長年抱えていた国内の大型案件も竣工し、そこに集中していたマンパワーを戻している。受注規律をしっかり守って利益が出る仕事をしていきたい」と意欲を示した。
 今後は12月に少数株を買い集めるスクイーズアウトを実施し、年内に完全子会社化する。