10月が始まり、来春入社予定の学生を集めた内定式が全国各地で開かれている。採用市場は、学生有利の売り手市場。建設業では働き方改革が進みつつあるが、採用予定枠の確保に苦しむ企業は少なくない。こうした中、形にとらわれず、モノづくりの楽しさにスポットライトを当てた取り組みが進んでいる。 1日、東京都中央区のオフィスビル。ガラス張りの大豊建設本社ビルに、リクルートスーツ姿の男女が集まってきた。向かう先には「2026年度定期採用者内定式」の看板。来春、同社に入社予定の学生たちで、北は北海道、南は鹿児島県まで、33人が集まった。
とりわけ学生の興味を引いたのが、現場で活躍する若手社員によるプレゼンテーションだった。建築、土木、事務で働く担当者が、自身の業務内容を個性豊かに紹介した。
「入社する前、現場の人は怖いと思っていた」と話したのは建築部門で入社4年目の早川拓也さん。ただ、実際は違った。話し掛けて、現場の印象が180度変わった。「見た目はいかついのに、気さくな人ばかりだった」
今、撮っても良いだろうか。邪魔にならないだろうか--。緊張や遠慮を抱えながら、毎日声を掛け、カメラを構え続けた。心の距離は次第になくなり、気付くとすっかり打ち解けていた。「カメラを向けるとピースサインが返ってくるようになった」と、ニッコリ笑顔の職人さんのスナップ写真を画面に投影。会場に笑い声が広がった。
橋本考史管理本部人事部長は「内定、おめでとう。来春からの活躍を心から楽しみにしている」と祝福。入社当初を振り返り、「トンネル現場で感じた発破の爆風、完成後に地元住民からもらった『便利になった、ありがとう』の言葉は、今でも忘れられない。働く喜びを皆さんにも経験してほしい」と熱を込めた。
参加者に話を聞くと、こうした人情味のある空気感に引かれた内定者は多かった。黒田翔太さんも、その一人。「終始、温かかった。人を大切にする企業なら、人としても成長できる。そこが決め手だった」と明かした。
小さいころからモノづくりが好きだった黒田さん。中学生の時には、祖父の自宅の壁を塗り替え、喜ばれた。「人の生活を豊かにしたい」と建設業を目指すきっかけになった。
来春にはヘルメットをかぶり、現場デビュー。まもなく憧れは現実になる。「資格を取り、先輩の背中を追っていきたい」と前を向いた。
とりわけ学生の興味を引いたのが、現場で活躍する若手社員によるプレゼンテーションだった。建築、土木、事務で働く担当者が、自身の業務内容を個性豊かに紹介した。
「入社する前、現場の人は怖いと思っていた」と話したのは建築部門で入社4年目の早川拓也さん。ただ、実際は違った。話し掛けて、現場の印象が180度変わった。「見た目はいかついのに、気さくな人ばかりだった」
今、撮っても良いだろうか。邪魔にならないだろうか--。緊張や遠慮を抱えながら、毎日声を掛け、カメラを構え続けた。心の距離は次第になくなり、気付くとすっかり打ち解けていた。「カメラを向けるとピースサインが返ってくるようになった」と、ニッコリ笑顔の職人さんのスナップ写真を画面に投影。会場に笑い声が広がった。
橋本考史管理本部人事部長は「内定、おめでとう。来春からの活躍を心から楽しみにしている」と祝福。入社当初を振り返り、「トンネル現場で感じた発破の爆風、完成後に地元住民からもらった『便利になった、ありがとう』の言葉は、今でも忘れられない。働く喜びを皆さんにも経験してほしい」と熱を込めた。
参加者に話を聞くと、こうした人情味のある空気感に引かれた内定者は多かった。黒田翔太さんも、その一人。「終始、温かかった。人を大切にする企業なら、人としても成長できる。そこが決め手だった」と明かした。
小さいころからモノづくりが好きだった黒田さん。中学生の時には、祖父の自宅の壁を塗り替え、喜ばれた。「人の生活を豊かにしたい」と建設業を目指すきっかけになった。
来春にはヘルメットをかぶり、現場デビュー。まもなく憧れは現実になる。「資格を取り、先輩の背中を追っていきたい」と前を向いた。