米軍根岸住宅跡地中央に研究施設誘致/道路と緑のネットワーク形成/横浜市 | 建設通信新聞Digital

11月29日 土曜日

関東・甲信越

米軍根岸住宅跡地中央に研究施設誘致/道路と緑のネットワーク形成/横浜市

 横浜市は10月20日、米軍根岸住宅地区跡地の「土地利用の方向性」をまとめた。骨格となる道路と緑のネットワークを形成し、地区中央にはセンターゾーンを置く。その周りに住宅地等ゾーンを配置。また、既存の根岸森林公園を拡張、一体的に利用できるよう森林公園ゾーンの配置を見込んだ。
 11月19日まで市民意見を募った上で、土地利用計画案を作成する。環境影響評価や都市計画の手続きを進め、2027年度に都市計画と事業計画を決定する予定。30年度の工事着手、34年度の工事完了を目指している。市は土地区画整理事業による宅地造成、道路や公園などの基盤整備を実施して、建物建設などにつなげていく。
 土地利用の方向性によると、道路と緑のネットワークでは、周辺の骨格道路と接続する道路ネットワークを形成するとともに、周辺密集市街地の防災力向上につながるアクセスを確保する。
 センターゾーンは、横浜市立大学医学部を核に、同部と連携した研究施設などを誘致し、医療や健康をテーマとしたまちづくりを目指す。商業、子育て施設などの生活利便施設、公園などの公共公益施設も配置する。
 高台からの眺望を生かし、良好な住環境の形成を目指す住宅地等ゾーンは、景観に配慮した特徴的な街並みとし、ゆとりある質の高い住宅を誘導する。森林公園ゾーンでは根岸森林公園を拡張。隣接の一等馬見所の保全・活用と連携し、観光スポットとして魅力ある憩いの場づくりを進める。
 根岸住宅地区は中区、南区、磯子区にまたがる米軍施設。日米間で返還方針を合意し、現地では施設の撤去がほぼ完了するなど、返還に向けた準備が進んでいる。市は「根岸住宅地区跡地利用基本計画」に基づき、具体的な土地利用を検討。土地利用などに関心がある企業を対象としたサウンディング(対話)型市場調査結果などを踏まえ、土地利用の方向性をまとめている。
 地区面積は42万9203㎡。うち国有地が27万2700㎡、民有地が15万6231㎡、市有地が273㎡。現在の都市計画は第一種低層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準工業地域、準防火地域、第3種風致地区。