【国交省に改善点を提案】
廣瀬(新潟市、廣瀬徳男代表取締役)は、全国に先駆けて現場実装してきた「建設機械向け遠隔操作システム」の課題点をまとめ、改善策を国土交通省に提示した。国を挙げて建設業の生産性向上を推進する中、高額な初期投資や遠隔施工に特化した安全ルールの不在、不明確なオペレーターの資格要件に加え、関連法の横断的な把握を求められることがシステム普及の支障になっていると指摘。その上で、ガイドラインの作成や人材育成を含めた補助制度の充実などを訴えている。
同社は、2022年度のインフラDX大賞優秀賞の受賞を契機に、ICT施工とBIM/CIMの内製化を実現。AR(仮想現実)やVR(拡張現実)、MR(複合現実)も積極的に活用している。
次の目標には、i-Construction2.0に基づく「施工のオートメーション化を通じた省人化、働き方改革、担い手確保」を掲げ、24年から遠隔施工に取り組んでいる。25年度までに「大河津分水路山地部掘削その23他工事」「新潟港(東港区)西ふ頭用地整備(その2)工事」「横場新田地区河道掘削その12外工事」の3件で適用した。
適用工事から得られた課題として、遠隔施工に関する安全ルールの未整備を挙げる。現在は自動施工の安全ルールを準用しているものの、労働基準監督署への届け出や監督員の要否、立ち入り禁止エリアなどの不明確さが作業上の負担になっているという。
「資格を持ったオペレーターが建設機械に搭乗し操縦する」ことを前提とする現行の労働安全衛生法では、建設機械ではない遠隔操作席に着く操縦者の資格の在り方もあいまいなままだ。ただ、同社では現場運営の原理原則を重視し、車両系建設機械の有資格者を配置している。
また、安衛法や建設業法などだけでなく、電波法の知識も求められるほか、初期投資・運用費が一般的なICT施工と比べて高額なため、費用対効果を得るまでに時間が掛かるとしている。
これらを踏まえ、▽遠隔施工専用ガイドラインの策定(無人エリアの設定、監視員の配置基準など)▽届け出書類、チェックリスト、通信・安全設計書の明確化▽資格要件の整理▽暫定歩掛かり、積算モデルの提示▽補助金、税制優遇、公共調達での加点--などが普及につながると提起している。
22日には、遠隔操作システムを見学するため、同社本社に国交省の増竜郎官房技術調査課参事官(イノベーション)グループ施工企画室長のほか、関東、北陸、九州各地方整備局の職員らが訪れた。
田畑茂清取締役会長からシステム普及に向けた改善提案書を受け取った増室長は「DX(デジタルトランスフォーメーション)に先進的に取り組んでいるからこそ見えてくる、貴重な意見だ。建設業をより一層進化させるための参考にしたい」と述べた。
その後、8月末に完成した新社屋(土木棟)に常設した遠隔操作用のコックピットと、そこからの指示で遠方の建機が作動する様子を確認した。
廣瀬が所有する建設機械向け遠隔操作システムは、コマツとEARTHBRAIN(アースブレイン)が共同開発したもの。イメージセンサーを使用した高画質・高視認性カメラシステム、5G(第5世代移動通信システム)、画像圧縮・伸張技術による低遅延システムを採用している。
廣瀬(新潟市、廣瀬徳男代表取締役)は、全国に先駆けて現場実装してきた「建設機械向け遠隔操作システム」の課題点をまとめ、改善策を国土交通省に提示した。国を挙げて建設業の生産性向上を推進する中、高額な初期投資や遠隔施工に特化した安全ルールの不在、不明確なオペレーターの資格要件に加え、関連法の横断的な把握を求められることがシステム普及の支障になっていると指摘。その上で、ガイドラインの作成や人材育成を含めた補助制度の充実などを訴えている。
同社は、2022年度のインフラDX大賞優秀賞の受賞を契機に、ICT施工とBIM/CIMの内製化を実現。AR(仮想現実)やVR(拡張現実)、MR(複合現実)も積極的に活用している。
次の目標には、i-Construction2.0に基づく「施工のオートメーション化を通じた省人化、働き方改革、担い手確保」を掲げ、24年から遠隔施工に取り組んでいる。25年度までに「大河津分水路山地部掘削その23他工事」「新潟港(東港区)西ふ頭用地整備(その2)工事」「横場新田地区河道掘削その12外工事」の3件で適用した。
適用工事から得られた課題として、遠隔施工に関する安全ルールの未整備を挙げる。現在は自動施工の安全ルールを準用しているものの、労働基準監督署への届け出や監督員の要否、立ち入り禁止エリアなどの不明確さが作業上の負担になっているという。
「資格を持ったオペレーターが建設機械に搭乗し操縦する」ことを前提とする現行の労働安全衛生法では、建設機械ではない遠隔操作席に着く操縦者の資格の在り方もあいまいなままだ。ただ、同社では現場運営の原理原則を重視し、車両系建設機械の有資格者を配置している。
また、安衛法や建設業法などだけでなく、電波法の知識も求められるほか、初期投資・運用費が一般的なICT施工と比べて高額なため、費用対効果を得るまでに時間が掛かるとしている。
これらを踏まえ、▽遠隔施工専用ガイドラインの策定(無人エリアの設定、監視員の配置基準など)▽届け出書類、チェックリスト、通信・安全設計書の明確化▽資格要件の整理▽暫定歩掛かり、積算モデルの提示▽補助金、税制優遇、公共調達での加点--などが普及につながると提起している。
22日には、遠隔操作システムを見学するため、同社本社に国交省の増竜郎官房技術調査課参事官(イノベーション)グループ施工企画室長のほか、関東、北陸、九州各地方整備局の職員らが訪れた。
田畑茂清取締役会長からシステム普及に向けた改善提案書を受け取った増室長は「DX(デジタルトランスフォーメーション)に先進的に取り組んでいるからこそ見えてくる、貴重な意見だ。建設業をより一層進化させるための参考にしたい」と述べた。
その後、8月末に完成した新社屋(土木棟)に常設した遠隔操作用のコックピットと、そこからの指示で遠方の建機が作動する様子を確認した。
廣瀬が所有する建設機械向け遠隔操作システムは、コマツとEARTHBRAIN(アースブレイン)が共同開発したもの。イメージセンサーを使用した高画質・高視認性カメラシステム、5G(第5世代移動通信システム)、画像圧縮・伸張技術による低遅延システムを採用している。














