とあるまちで進む旧市庁舎活用事業の完成が間近に迫ってきた。既存建物を活用しながら、隣接地に高層ビルなどを配置した。既に新たなまちの“顔”としての存在感を放つ◆筆者は市が構想を検討する段階から取材をしてきた経緯もあり、思い入れがある。有名建築家により設計された旧庁舎。解体も可能とした市の公募条件に、待ったをかける設計団体が現れるなどして注目された◆結果、旧庁舎は保存活用する形で新たにホテルとして生まれ変わることに決まった。その過程を取材する中で、建物を残す意味について改めて考えるようになった◆足場が外れ、旧庁舎の姿を久しぶりに目にした時、取材に足しげく通った過去の思い出がよみがえった。記憶を呼び起こすきっかけがまちにある。それは幸せなことなのかもしれない。












