現場から・オリエンタル白石と日鉄ケミカル&マテリアル/伊東市・渚橋DiFi工法試験施工 | 建設通信新聞Digital

1月12日 月曜日

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現場から・オリエンタル白石と日鉄ケミカル&マテリアル/伊東市・渚橋DiFi工法試験施工

(右から)立石氏、東氏、三宅氏
施工箇所を下から撮影。面補修ではないため、漏水発生時でも水がたまらない
【“面”補修から“線”補修へ】

 オリエンタル白石と日鉄ケミカル&マテリアルが共同開発した橋梁間詰め部の補修工法「DiFi(ディファイ)工法」。この試験施工が12月に始まった。同部の補修はこれまで、桁底の劣化部を鋼板で覆うことが多かったが、重量物を扱う関係から施工性に課題があり、品質面でも難点があった。新工法では、「面補修から線補修」という新しい発想で、こうした課題を解消している。12日、テストフィールドとなる静岡県伊東市の国道135号「渚橋」現場が報道陣に公開された。
 新工法は、プレストレスト・コンクリート橋で、T型橋桁の突き付け部の補修に使用する。補修箇所は、新設時に現場でコンクリートを打設することから「間詰め部」と呼ばれ、他の箇所よりも劣化や亀裂が生じやすい。漏水でコンクリート内部に水が回ると、鉄筋がさび、最悪の場合、間詰め部自体が落下する恐れもある。
 新工法では、劣化した脆弱(ぜいじゃく)箇所をはつり取った後、さび止め処置やモルタル形成で平滑化。ここまでは従来工法と変わらないが、ユニークなのはこの後だ。従来は底面に巨大な鉄板を貼り付けていたが、新工法では細い溝を掘り、細長い高強度のプレートを埋め込む。重量作業がなくなったことで、格段に施工が楽になった。
 開発を担当したオリエンタル白石の東洋輔氏は「(見上げ作業となる)不安定な環境でも楽に作業できる。いかに簡単にするかをキーワードに開発を進めた」と力説した。
 “面”補修から“線”補修に変わったことは、品質面の課題解消にもつながった。
 「水が抜けるようになった」と話すのは、工法開発に携わった日鉄ケミカル&マテリアルの立石晶洋氏。従来工法では、補修箇所付近で漏水が起きると、鋼板に水がたまり、さびが発生する可能性があった。新工法では、この心配がなくなった。
 立石氏によると、開発期間は約2年。実橋梁への初適用となり、「実績をつくれ、うれしい。今後普及に努めていきたい」と話した。隣にいた後輩で同じく開発メンバーの三宅央真氏も「老朽化する構造物が増える中、解決策の一つになれば」と期待を込めた。