NOT A HOTEL/京都と沖縄に新ブランド第1弾/沖縄はザハの設計 | 建設通信新聞Digital

12月17日 水曜日

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NOT A HOTEL/京都と沖縄に新ブランド第1弾/沖縄はザハの設計

京都・東寺の室内イメージ
沖縄の外観イメージ
 デザイン性の高いオーナー向けシェア型別荘を展開している「NOT A HOTEL」は、新たなホテルブランドとなる「HERITAGE」と「Vertex」を立ち上げる。ともに一般客も受け入れるホテルとする。HERITAGEの第1弾は京都・東寺の宿坊をリノベーションする。Vertexは、沖縄でザハ・ハディド・アーキテクツが設計を手掛ける。
 HERITAGEは、建築家やクリエーターと組んで、寺院や美術館などの建築遺産を現代の視点と感性でリニューアルして受け継ぐホテルで、収益を修復・保全費用に充てる。第1弾は、東寺(教王護国寺)の宿坊として1968年に竣工した洛南会館をリニューアルする。空間デザインには、地・水・火・風・空という密教の五つの理の要素を盛り込む。エントランスラウンジには障子とちょうず鉢を配置し、1階フロアの中心には社寺仏閣や町家の庭園技術を受け継いできた山田造園が手掛ける日本庭園を配置する。
 Vertexは、未来の暮らしを具現化するホテルシリーズとし、建築、テクノロジー、デザインなどあらゆる領域の最先端技術を導入して次世代のライフスタイルを実験する場とする。第1弾の沖縄は、ザハ・ハディド・アーキテクツの設計で、革新的な技術とデザイン、沖縄の自然環境を有機的に融合させたホテルとする。海と白砂のビーチ、森林が広がる地形に合わせて建物を配置し、環境への影響を最小限に抑える。海岸線の輪郭に沿うよう段状のテラスや庭を設け、年間の気候・日射・風環境などを調査した上で自然換気の促進や景観の最適化を実現する。大きな庇(ひさし)は沖縄の伝統的な家屋を現代的に再解釈して採用する。構造体は高潮線から6.5m以上の高さとし、台風や地震にも耐える設計とし、再生骨材の活用など循環型建築によって環境負荷低減も目指す。