統合的インフラマネジへ転換/制度見直し視野に議論開始/社整審・交政審小委が初会合 | 建設通信新聞Digital

2月2日 月曜日

行政

統合的インフラマネジへ転換/制度見直し視野に議論開始/社整審・交政審小委が初会合

 埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて、インフラの維持管理の在り方を抜本的に見直すための議論が国土交通省で始まった。従来の点検・調査だけでなく、より上流の計画や設計、整備などを一体で捉えて対策を講じるインフラマネジメントの具体化を目指す。現場への新技術導入にとどまらず、予算面や制度面にも踏み込んで実現に向けた議論を深める。今夏ごろに中間まとめを予定している。 社会資本整備審議会と交通政策審議会技術分科会技術部会の下に設置した「インフラマネジメント戦略小委員会」(委員長・家田仁政策研究大学院大学特別教授)の初会合を1月30日に開いた。
 小委員会では、計画・設計から整備、修繕・改築といったインフラのライフサイクル全般を統合的に捉えるマネジメント体制の確立に向けた方策を検討する。道路陥没事故の再発防止策を議論した国交省の有識者委員会の第3次提言に沿って、地方自治体管理分も含めたさまざまなインフラの実態を把握しながら、AI(人工知能)やロボットといった新技術の導入、技術者不足に対応する連携体制などを議論。財政支援や国の関わりの在り方、民間ノウハウの活用なども視野に入れながら道筋を探る。
 開会に当たり、家田委員長は「今まではインフラの整備とメンテナンスは別物という扱いが多かったが、人口減少などを踏まえると整備とメンテナンスは本来一体だ。これをマネジメントとして根本的な考え方を充実していく」と述べた=写真。
 議事では論点をベースに各委員が意見を表明。小澤一雅政策研究大学院大学教授は、インフラ整備・管理に関する現行制度は高度経済成長期の量的整備に対応したものであり、現在は予算やニーズが異なっているとして「制度や仕組みを根本的に見直す必要がある」と問題提起した。
 羽藤英二東大大学院工学系研究科教授は、有料道路に代表される市場型インフラが生活道路や中小橋梁などあまねくインフラでは成立し得ないことを指摘した上で、生活道路などの管理を担うソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)を生み出す制度をつくり、人材の確保や発注を手掛ける枠組みが必要との見解を示した。
 行政法に詳しい野口貴公美一橋大副学長は、社会課題や技術進展を踏まえ、従来の公物の概念の線引きを変えて新たなインフラマネジメントを考える必要があるとし、「公物管理法の世界が変わってくるのではないか」と語った。