国土交通省は2日、山口県下関市と北九州市を長大橋で結ぶ「下関北九州道路」を含む本州・九州間の道路ネットワークの在り方検討に着手した。本州・九州間の現状・課題や周辺道路ネットワークの在り方について有識者の意見を聴取し、今夏をめどに基本方針をまとめる。
同日に開いた社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会の本州・九州連携小委員会(委員長・羽藤英二東大大学院教授)で議論した=写真。下関北九州道路の役割、有料道路事業導入に当たっての利用者負担の在り方、ライフサイクルコストを考慮した、品質向上や施工の効率化などを検討する。
初会合の冒頭、羽藤委員長は「1919年の旧道路法制定以前の歴史を鑑みても、国と地域がこうした場で議論することに大きな意味がある」とあいさつ。さらに「持続可能な償還を念頭に置きつつ、管理や料金の問題も含め、現状を考える機会にしたい」と議論の方向性を示した。
委員からは多角的な意見が挙がった。小澤一雅政策研究大学院大教授は「管理・運営を含めた事業スキームを検討すべきだ。技術・運営的リスクがどこにあり、誰がそのリスクを取るのにふさわしいかを見極める必要がある」と強調し、利用者負担や資金調達、実施体制の議論を求めた。
現在、本州と九州を結ぶ道路ネットワークは、1973年供用の関門自動車道(関門橋)と1958年供用の関門トンネルに限られる。ともに老朽化に伴う大規模修繕工事を抱えるほか、交通事故や気象条件による通行止めのリスクが恒常的な課題となっている。このため、第3のルートとなる下関北九州道路の整備調査が進められてきた。
同道路は、約2㎞の海峡部を横断する長大橋を想定している。2020年度の計画段階評価で概略ルートや構造を検討し、事業費は2900億-3500億円と試算。25年12月には地元自治体が都市計画決定した。
