清水建設は23日、東京・京橋の本社2階で重要文化財「阿蘇神社楼門」の保存修理工事を振り返る企画展示を開始する。2016年の熊本地震から10年という節目に合わせ、甚大な被害から蘇った楼門の軌跡をたどる。
阿蘇神社は16年4月の地震で震度6の揺れに見舞われ、楼門が1階部分を押し潰される形で倒壊するなど甚大な被害を受けた。同年10月から清水建設が修理を開始し、23年12月に工事が完了した。
展示では、約1万1000点の部材のうち約7割を再利用し、折れた部材をアラミドロッド(軽量・高耐久な棒状補強材)などの最新技術で補修しながら組み直した職人たちの技を紹介する。また、将来の地震に備え、外観を損なわずに内部へ鉄骨フレームや制震ダンパーを組み込んだ耐震補強の仕組みもパネルで解説する。
会場では、復旧の過程を記録したドキュメンタリー映像の上映も行う。伝統工法と最新技術の融合によって、阿蘇の人々の「心のよりどころ」が再生されるまでの歩みを体感できる内容とした。
企画を担当した清水建設コーポレート・コミュニケーション部の増田晴夫氏は「今回の展示を通じ、改めて震災の記憶、記録を残し、伝えていくことの大切さを考えさせられた」と話す。
2階の企画展示は、12年の本社ビル完成後、13年12月から開始。年2、3回更新しており、今回で22期目の展示となる。今後は同社公式ユーチューブチャンネルで、これまでの企画展示で上映した映像を公開し、同社の取り組みをより広く発信していく。

