日本建設業連合会が11日に開いた定時総会・理事会での決議を経て、押味至一会長率いる新執行体制が始動した。就任直後の記者会見で押味会長は、さまざまな課題が山積する中でも、「担い手確保のためには、技能者の処遇改善を第一に考えていかなければならない。まずは、公共工事設計労務単価が少なくとも、全産業平均と同じレベルになるよう、政策的な引き上げを働き掛けていきたい」と強調した。
押味会長は2026年度の活動方針として、「改正建設業法に基づく契約適正化の徹底、適正な労務費の確保と実効性の強化、4週8閉所の定着とさらなる進化、防災・減災、国土強靱化の強力な推進という4項目に重点的に取り組む」と表明した。
現場閉所については「原則全ての現場での実施を目指しながらも、猛暑への対応を含め、個別現場の実情に応じた柔軟な閉所の在り方を検討する。時間外労働の上限規制がある中でも、働きたい人が働けるようにする工夫を考えていきたい」と付け加えた。
蓮輪賢治副会長・土木本部長は「土木分野は国土強靱化、インフラ老朽化対策、そして災害対応など、国民の安全・安心を守る最前線を担っている。気候変動の影響で災害が激甚化・頻発化する中、その役割はますます重要性を増している」と述べた上で、土木本部として「公共事業予算の確保と第1次国土強靱化実施中期計画における事業量の確保、公共発注機関との連携による迅速な課題解決、NEXCOなど民間土木工事分野における課題解決の道筋づくり、設計労務単価のさらなる引き上げに重点を置く」との方針を示した。
蓮輪土木本部長は、公共事業関係費の当初予算での増額確保や、5年20兆円強とされている国土強靱化事業費の25兆円規模への上積みにも意欲を示した。
相川善郎副会長・建築本部長は「建築分野では、さらなる働き方改革と生産性向上が求められている。4週8閉所の取り組みについても、土木に比べて遅れており、進展を図らなければならない。また、昨年の改正建設業法の全面施行により、持続可能な建設業に向けた基盤が一層強化された。民間工事を主体とする建築本部として、法改正への確実な対応を進め、民間発注者を含めたサプライチェーン全体で健全な関係構築を目指していく。建築分野の発展に貢献し、安全で高品質な建築を着実に提供し続けるとともに、建設業をより魅力的な産業にしていくために尽力していく」と抱負を語った。
生産性向上については「設計と施工の緊密化やBIMの活用、施工のオフサイト化・自動化などを一体的に推進し、建築プロセス全体の高度化を図る」とした。環境配慮型建築の推進などを通じたカーボンニュートラルの実現をはじめ、サーキュラーエコノミーやネイチャーポジティブなど、地球環境保全への貢献にも注力する考えを示した。
