政府は27日、第4回「日本成長戦略会議労働市場改革分科会」(分科会長・上野賢一郎厚生労働相)を開き、分科会とりまとめ案を示した。労働時間法制の政策対応には、柔軟で多様な働き方推進の観点や労働者の健康確保の観点など、さまざまな論点があると総括。変形労働時間制を含む労働時間法制の政策対応を、夏以降の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論することが必要だと結論付けた。大筋で構成員の合意を得たため、正式な分科会とりまとめを厚労相に一任。政府が今夏策定する成長戦略に反映する。 =関連2面
冒頭、上野厚労相は「3回にわたる分科会でリスキリング支援や労働生産性の向上、希望に応じた円滑な労働移動の促進、労働時間法制等に係る政策対応を含む多様な人材の労働参加の促進、企業の人材マネジマネジメントへの支援などについて実りある議論をいただいた」と振り返り、これらをベースとしたとりまとめ案への忌憚(きたん)のない意見を求めた=写真。
柔軟で多様な働き方の実現に向けた労働時間法制で、裁量労働制とともに論点となったのが「変形労働時間制」だ。業務の繁閑に応じて労働時間の配分を可能にし、繁忙期には長く、閑散期には短く働けるもので、労使の話し合いによって労働時間短縮や法定労働時間枠の有効活用を可能にする。
とりまとめ案ではこの議論について、天候の変化や取引先との関係などによって、繁忙が大きく左右されることに十分対応できない現状があるため、勤務カレンダーを「30日前」に作成する要件の緩和や勤務日変更を認めるなど、柔軟な制度設計を求める意見があったと振り返った。
一方で、労働者の健康確保や生活の予見可能性を最優先する必要があるため、制度の緩和は限定的かつ条件を明確にすべきであるとの意見があったことも指摘。さらに、原則の法定労働時間を超過することも可能な例外的な制度であるため、労働者保護の観点から、長時間労働の常態化や生活時間設計を損なう要件緩和は行うべきではないとの意見があったことにも言及した。
このため、変形労働時間制については、他律的な要因に十分対応できていない現場の実態、労働者の生活時間や予見可能性の確保にも留意しつつ検討を進めることが必要だと総括。柔軟で多様な働き方を含む労働時間法制などの政策対応は、労働者の健康確保やワーク・ライフ・バランスを前提とする認識を共有しつつ、今夏以降の労政審で議論する。
さらに、建設業における適正工期の確保など、業種・業態の特性に応じた働き方改革の推進に向けて、業所管官庁と連携を着実に進める必要性も付け加えた。
