
會澤高圧コンクリートと米マサチューセッツ工科大学(MIT)が共同で開発を進める〝発熱〟や〝蓄電〟の機能を持たせたコンクリートの社会実装が近づいている。先行して開発が進む発熱コンクリートは、2027年の商用化が視野に入ってきた。蓄電コンクリートでは、大手デベロッパーが建設を進める都内の実験住宅にこれを設置する予定としている。
これらの新たな動きは、蓄電コンクリートを社会実装するために、25年9月に発足した「蓄電コンクリート工業会」が3日に開いた第2回総会で報告された。同会会長の會澤祥弘會澤高圧コンクリート社長は、蓄電コンクリートについて「蓄電容量は27年に2キロワットを目指すが、将来的には10キロワットを実現したい」と述べるとともに、「コンクリートそのものが電池になると新たなエネルギーインフラになる」と、その可能性を強調した。
発熱や蓄電するコンクリートは、炭素繊維などを混ぜることで電子伝導性があるコンクリートとして実用化を目指している。
融雪建材に使える発熱コンクリートについては、25年度に新千歳空港敷地内での耐久性・発熱性能の検証を実施した。空港駐機場付近に0・5メートル×1メートル、厚さ18センチの発熱コンクリートパネル5枚を設置し、空港車両や除雪車などが通行する実路盤に近い条件下で耐久性や発熱性能を検証している。
その結果、繰り返し荷重を受ける環境下でも通電できることを確認した。電極の極性を一定時間ごとに切り替えることで温度ムラの低減、耐久性向上につながる可能性も確認した。
東北電力東北エリア事業所と會澤高圧コンクリート札幌支社には0・5メートル×1・0メートル、厚さ13センチのパネルを設置。表面温度に応じた電源のオン/オフ制御、出力調整による省電力化などについての融雪効率やピークカットの可能性について実証した。
26年冬には北海道札幌市内の商業施設内約30平方メートルの規模で仕上げタイル一体型の融雪建材として導入する予定だ。融雪性能に加え、施工性、更新性、維持管理性、省電力性における安全性を検証する。27年商用版リリースに向けた最終段階と位置付けている。
同社によると「今後、歩道、駅前広場、集合住宅の外構など積雪寒冷地のさまざまな空間への展開を視野に入れている。自治体などに対しても、既存ロードヒーティングの更新需要に応える新たな選択肢の一つとして提案をしていく」としている。
一方、蓄電コンクリートでは、太陽光発電による電力を貯蔵するための開発を進めており、蓄電容量の向上を目的とした検証に取り組む。
9月には、戸建て住宅の床下部分に8メートル×8メートルサイズの蓄電コンクリートを住宅基礎部分に敷設する。併せて、大手デベロッパーが建設を進める都内の実験住宅にも設置する予定もあるという。
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