大阪市は、2026年度から中浜西下水処理場の基本設計、津守下水処理場の計画検討業務に着手する。ともに、第1四半期に公告することを発注見通しで示している。
市内の下水処理施設は、4993㎞の管路、59カ所の抽水所(ポンプ場)、12カ所の下水処理場と下水汚泥を処理する舞洲スラッジセンターなどで構成している。
同市はこうした施設の老朽化が進む中、下水道施設の機能維持を最重要課題に位置付け、基本ビジョンを「未来への責務を果たす下水道」とする中長期的な基本計画「大阪市下水道事業経営戦略」を2021年3月に策定し、25年3月に改定した。
この戦略の対象期間は25年度から34年度まで。各施設の機能維持や浸水対策、地震対策、都市環境保全の四つを施策の柱としている。このうち、機能維持については「下水道施設管理計画」を踏まえ、老朽化の現状や点検結果の健全度などに基づき、再構築事業などを進めている。
中浜西下水処理場(城東区森之宮2)は、中浜下水処理場の西系統となる。1963年に供用を始め、老朽化が進行しているため、再構築の方法を検討している。大阪城東部のまちづくりとも連携し、再構築事業では上部空間の活用も検討している。計画処理能力は日量17万5000tとなる見込み。
現在は、処理場再構築に向けた計画検討業務を日本工営都市空間が受託し、概略設計を進めている最中だ。委託期間は7月末までで、業務の結果を踏まえて基本設計に移る予定だ。基本設計業務では、施設設計のほか、官民連携導入可能性調査も実施し、事業手法を検討する。基本設計後の詳細な事業手法は未定だが、順調に進めば29年度から工事に着手する。
津守下水処理場(西成区津守2)は、1940年に完成し、海老江下水処理場と並ぶ市内で最初に建設された下水処理場だ。07年から進めている消化ガス発電設備整備事業の終了期限が26年度末に迫っているため、既存事業の延長契約も含め、次期消化ガス有効利用方法を検討している。処理能力や建設地、事業手法などは未定。同下水処理場は3系統で構成し、計画処理能力は日量30万5000m3。26年度は計画検討業務に着手したい考えだ。
同市は、下水処理場のエネルギー循環拠点化も計画している。下水処理場は、豊富な有機物が集積する拠点で、下水道は有機物を運ぶ資源回収の役割も担う。このため、下水処理場が持つ地域の資源・エネルギー循環の拠点としての役割を社会に浸透させて、50年のカーボンニュートラル達成に向けた原動力としたい考えだ。

