土木学会の第114代・2026年度会長に就いた小澤一雅政策研究大学院大特別教授は12日、都内で開いた定時総会後の記者会見で就任の抱負や今後の運営方針などを語った=写真。小澤新会長は、25-29年度を対象期間とする土木学会5カ年計画『JSCE2025』の具体化を自身のメインミッションに掲げ、建設マネジメントの研究、実践で培ってきたノウハウを学会運営に生かす考えを表明した。具体的なアクションは今後検討するとしつつ、「学会の活動全体を棚卸しして、空いた隙間に新しい活動を埋め込んでいく」と述べた。
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古市公威初代会長が示した土木技術者は全体を束ねる「いわゆる将に将たる人」や、100周年記念事業で磯部雅彦第102代会長が提示した「あらゆる境界をひらき、持続可能な社会の礎を築く」といった思想などに触れた上で、「このような普遍的な理念を羅針盤とし、持続可能な土木学会として進化し続けられるかが現在問われている」と指摘した。
現在、4万人以上いる会員の過半数は50代以上で、特に40代の構成比が大きく減少していることなどを課題に挙げた。新会長として、▽時代のニーズに応える革新への挑戦▽連携による価値の創出▽透明性の高い組織運営--という三つの取り組み方針を掲げ、「みんなで一緒につくり上げる学会、新しい人が入ってきやすい学会にしたい。土木学会の最高の景色を描きたい」と話した。
三つの方針に基づき、見直すべき慣習は柔軟に見直し、次世代につなぐための新しい仕組みづくりを推進する。同時に世代を超えた対話を促し、ベテランの知恵と若手の情熱が融合する風通しの良い組織も目指す。複雑化する社会課題の解決に向け、学会内外との連携による価値の創出にも注力。土木学会は、これを促進するネットワークの核となる役割を果たす。
25年5月に発表した新5カ年計画『JSCE2025』は、変化が激しくて先行きが見えにくく、判断を行うことが難しい「VUCA(ブーカ=変動・不確実・複雑・曖昧)」時代への対応を含め、目指すべき方向性や取り組むべき活動などの骨格を示した。この20年間、その時々の5カ年計画で言及されてこなかった組織の在り方について、体制の見直しに踏み出す契機を盛り込んだのも特徴の一つだ。
学会全体として取り組むテーマには、▽学術・技術の発展につなげる分野横断・連携の一層の推進と支援▽学会活動の知見の蓄積、流通と活用方策の検討▽学会活動におけるDEI(多様性・公平性・包摂性)の促進▽体系的な技術者教育・土木教育の推進とアウトリーチ▽地方組織の活性化と相互交流の推進、本部・支部の連携促進▽学会活動と多くの会員との関係改善--の6点を設定している。
