九州地域の洋上風力産業のサプライチェーン構築を目指す「九州洋上風力産業推進パートナーシップ」が23日に発足した。九州経済産業局、福岡県、長崎県、北九州市、九州経済連合会、脱炭素成長型経済構造移行推進機構(GX推進機構)が参加し、関連産業の集積や企業参入の促進、港湾を含む事業環境整備を官民一体で進める。
主な取り組みは、進出企業への相談対応や支援制度の情報発信、商用化支援、関連企業の裾野拡大など具体策の検討、洋上風力設備の大型化に対応する岸壁や広域ヤードといった港湾インフラの整備、技能者・技術者確保に向けた人材育成など。必要に応じてワーキンググループを設置し、実効性ある取り組みにつなげる。事務局は同局に置く。
従来は行政の情報提供が中心だったが、今回の枠組みは行政や経済団体など支援機関が連携し、企業が事業展開しやすい環境づくりを進める点が特徴だ。同局資源エネルギー環境課の担当者は「洋上風力のサプライチェーン構築には広域連携が不可欠だ」と各県でなく、九州地方の枠組みとして、事業が先行する福岡や長崎のほか、佐賀県や鹿児島県の参入を見据える。
九州では今後も複数の洋上風力プロジェクトが控えており、安定した施工体制の確保が重要となっている。資材価格の高騰や過去の事業撤退などの課題を踏まえ、国は入札制度を価格重視から「事業完遂能力」を重視する評価へ転換し、より多くの企業の参加を促す。パートナーシップとして地元企業がスムーズに参入できるよう、認証取得に向けた情報提供や課題解決など、ビジネス環境の整備を全面的に支援する。
長崎県西海市江島沖や北九州市響灘沖などの先行案件を抱える地域では、既存の造船・鉄鋼などの産業基盤を生かし、広域連携による洋上風力産業クラスターの形成を目指す。今後、各県が提出するプロジェクト提案が国の「官民投資ロードマップ」に位置付けられれば、港湾インフラ整備や企業参入に向けた環境づくりが一段と進む見通しだ。
