【大阪本店の運営方針は?/大阪・関西けん引する存在に】
4月1日付で大林組専務執行役員大阪本店長兼大阪本店建築事業部長に竹中秀文氏が就任した。大阪発祥のスーパーゼネコンとして、建築事業、土木事業ともに地域開発をけん引することが期待されており、竹中本店長も「数字を追い求めるだけでなく、再開発やまちづくりなどを通じて大阪の発展に貢献したい」という強い思いを持つ。今後の運営方針などを聞いた。
「10年ほど技術部門に在籍したこともある。それ以外は約30年、各地の現場に従事した。それが今、大林組発祥の大阪で本店長になったことを光栄に感じている。常に新入社員のような謙虚で前向きな気持ちでいるよう心掛けており、これからも自らを律しながらしっかりとかじを取り、重責を果たしていく」と就任の抱負を語る。
バブル崩壊後、建設業界にとって厳しい時代もあったが、近年はインバウンド(訪日外国人客)などの追い風に乗って本店の売上高、受注高は堅調に伸びている。「もちろん今後も業績は伸ばしていきたいが、今の状況がずっと続くものと安易に考えていない。ここ最近は、顧客が建設業者を選ぶ時代になってきた。このことを充分認識して物事に対処していかなければならない」と気を引き締める。
関西の市場環境については、「大阪・夢洲のIR(統合型リゾート)や万博跡地、ターミナル駅周辺など大きな開発プロジェクトがまだまだ控えており、データセンターや宿泊施設、医療施設、アリーナ、オフィス、タワーマンションなどさまざまな引き合いがある。建築はこのほかにも木造・木質化、歴史的建造物を保存再生するヘリテージ、既存建築物のリニューアルなど、多様かつ旺盛な建設需要を実感している」と豊富な需要に手応えを示す。
「土木は交通アクセスをはじめ重要な社会資本整備を担っており、土木・建築物を構築するだけではなく、事業者として参画したり、建設後のエリアマネジメントなどに携わったり、まちをつくっていくことが求められている。土木・建築両部門とも当社が先頭に立って大阪・関西を引っ張っていく」と力を込める。
そのためには「さまざまな新技術の開発を進めるとともに、ほかのまちづくり事例や建築物の研究といった努力が不可欠だ」と指摘する。
ただ、建設業界では近年、労働力不足が大きな課題となっている。「かねてから現場における生産性向上に取り組み、協力会社とも良好な関係を保っているが、特に専門性が高い工事の作業員を確保するのが難しい。現場の技能労働者を育成し、しっかり報いられるように努めたい。人的資源が限られる中、場合によっては高付加価値案件など選別的に受注していくことも必要と考えている」という。
多様なニーズに対応し、困っている顧客にソリューションを提供していくには、社員の確保・育成が重要になる。「若手社員には、常々、自信を持って自分の持っている高い能力を発揮するよう声を掛けている」と日頃からの前向きな姿勢を若手に促している。「能力を引き出し、思い切ってチャレンジできる環境をつくる」考えだ。
さらに、これまで培ってきた技術・技能を継承していくため、「当社のOBが講演するレジェンドトークという場を設けている」という。昨年から3度開催しており、これからも継続していく方針だ。
* *
(たけなか・ひでふみ)1987年3月北大工学部建築工学科卒後、同年4月大林組入社。2017年4月本社建築本部本部長室長、19年4月札幌支店副支店長、20年4月北海道ボールパーク(仮称)建設計画所長、23年4月執行役員京都支店長、25年4月常務執行役員大阪本店建築事業部長などを歴任。趣味はゴルフ、水泳、読書。仕事も趣味も「できないことを勉強・追求して深めていく」性格だという。大阪府出身。62年10月5日生まれ、63歳。
