【経営戦略の方針は?/グループ全体の連携強化】
熊谷組の経営戦略本部長に、坂井秀行執行役員が4月1日付で就任した。本部運営のテーマに掲げるのは組織間の連携強化だ。「グループとしての経営を大事にしなければならない」と強調し、社内外が有機的につながる組織づくりを目指す。「グループ会社も含めた連携を円滑にしていくことが経営の根幹だ」と語る坂井氏に、今後の本部運営方針を聞いた。
--就任の抱負を
「経営戦略本部の役割は、熊谷組グループ全体を束ねていくことにある。本部の管下には五つの部署があり、経営企画やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、サステナビリティーなど、いずれも企業として取り組むべき重要なテーマを担っている。まずはこれら5部署の連携を一層進めていきたい」
「加えて、グループ間の連携を強化するためには、各組織の経営陣との連携も欠かせない。この点も大切にしながら取り組んでいく」
--現在の率直な心境を
「身の引き締まる思いだ。経営戦略本部は会社全体の方向性を示す部署だが、私は入社以来、建築畑を中心に歩んできた。経営部門の中核で仕事をした経験は多くなく、率直に言って非常に緊張している」
--建築畑で培った経験をどのように生かすのか
「これまでは生産部門で仕事をしてきたが、キャリアの中で築いてきた人脈がある。今後はそうしたつながりを生かしながら、本部で新たな関係構築も進め、人脈の幅を広げていきたい」
--本部の運営方針は
「今年度は現行の中期経営計画の最終年度に当たる。建設事業の強化、周辺事業の加速、経営基盤の充実を3本柱として取り組んできたが、その目標を何としても今年度中に達成しなければならない。これが最大の使命だ。同時に、来期以降を見据えた新たな中期経営計画の策定にも着手していく」
--具体的には
「建設事業の強化に向けて、安全・品質・環境のナンバーワン企業を目指した取り組みをさらに進化させる。周辺事業を加速させる観点からは、バリューチェーンの拡大に向けた投資を一段と推進する。経営基盤の充実では、人材、技術、DXを軸に取り組みを進めていく」
--次期中計の方向性は
「大きな方向転換は考えていない。ただ、持続的な成長を実現するためには、目まぐるしく変化する市場環境を踏まえ、10年後、20年後を見据えた成長戦略を盛り込んでいく必要がある」
--市場環境をどう見るか
「需要面では、設備投資や公共投資が底堅く推移しており、良好な受注環境が続いている。加えて、資材価格や労務単価の上昇への対応や、4週8閉所を前提とした適正な価格提示ができる環境も整いつつある。一方で、円安傾向やイラン情勢などの影響による資材価格高騰のリスクもあり、中長期的には先行きの不透明感が増している」
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(さかい・ひでゆき)1991年3月名工大工学部社会開発工学科卒後、同年4月熊谷組入社。2015年4月名古屋支店建築事業部建築部長、21年4月本社建築事業本部建築統括部建築部長、23年4月執行役員などを経て、4月から現職。岐阜県出身。68年7月生まれ、57歳。
