【処遇改善と安定した予算確保を/沖縄の未来描くインフラ整備も】
沖縄県建設業協会は5月15日の定時総会で、仲本工業の仲本豊会長を新会長に選出した。日刊建設通信新聞社などの取材に応じた仲本会長は「前会長の取り組みを継承しながら、課題に対応したい」と意気込む。課題の担い手確保については、団塊の世代とその前後が70歳を超える2030年問題に強い危機感を示し、「技術者や技能者が不足しないよう、建設業を他産業よりも魅力的な職場にしたい」と強調する。
新4K(給料・休暇・希望・かっこいい)へのイメージ転換を図るため、協会として合同説明会の開催やテレビ・ラジオCMの放映を継続する。また、発注者に対しても毎年5%以上の賃金アップをコミットしており、さらなる処遇改善を目指す。
魅力ある職場づくりと並行して進めるのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)を利用した生産性向上と省人化だ。「大手ゼネコンと地域建設業では資本力に差があるものの、可能な限り新しい技術を取り入れる」と方針を示す。既に現場ではタブレット端末を活用した写真・書類管理の自動化や、UAV(無人航空機)による測量などが進んでおり、「10年前に比べるとかなりスマートになっている」と手応えを語る。協会としてもICT講習会などを開き、引き続き会員企業の技術の底上げを図る。
沖縄振興予算のうち公共事業関係費が10年前の約2000億円から26年度は約1200億円に大きく減少した。災害時に地域建設業が役割を果たせるよう、安定した予算確保を国や県に強く要望する。
資材費や人件費の高騰に加え、県内で多発する入札不調・不落への対策も急務だ。沖縄独自の課題に「離島工事では人員の渡航費や宿泊費などの経費が掛かる」点を挙げ、これらが適正に見込まれるよう発注者と協議を重ねる。単品スライド条項適用時の受注者負担(1%)についても「改善しないと厳しい」との考えを示し、現場の実態を発注者に訴えていく方針だ。
経済団体などが中心となって策定する「GW2050」構想にも言及し、「構想づくりを含めて積極的に参加したい」と意欲を見せる。さらに、観光客や物流拡大に向けて「需要を呼ぶためにはインフラの拡張を描かなければならない」とし、「那覇空港には第3滑走路が必要だ。沖縄の玄関口を広げることが県全体の発展に直結する」とスケールの大きな構想も提言する。
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(なかもと ゆたか)1987年3月早大大学院建設工学専攻修士課程修了後、同年4月農林水産省に入省し、漁港整備などに携わる。2001年4月沖縄に戻り、仲本工業に入社して専務、02年4月社長就任。26年1月から現職。趣味は40代半ばに始めたジョギングで、フルマラソンにも挑戦。自社でも健康経営に力を入れる。座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」。沖縄県出身、63歳。
