【人の教え大切にして成長】
矢作建設工業の新社長に26日付で、竹下英司専務執行役員コーポレート本部長が就任した。53歳での抜てきに「貪欲にいろいろな人の教えを大切にして、大きく成長していきたい」と意気込む。2026年度は新たな中期経営計画の初年度となり、次の目標に向かって改めてスタートを切った。計画の策定を主導し、未来を最前線で描いた竹下社長に、今後の経営のかじ取りについて聞いた。
--就任の抱負は
「大役に重責を感じているが、社員一人ひとりの顔を思い浮かべると責任感を持って経営しなければならないと思い、気力を奮い起こした。良い会社に成長してきた流れを加速させ、さらなる飛躍を目指して施策を展開する」
「著しく早く変化する時代に取り残されないためにも、これまでの取り組みのさらなる発展に向けて社員と力を合わせていく」
--経営方針は
「建築、土木、不動産の3本柱で事業を展開している。どの事業もバランス良く収益を上げており、目指していた相互補完を実現し景気に左右されにくい体制を構築できた。今後は3分野の相乗効果を高めていく」
「建設部門では需要が増すものの、供給力が追い付いていないため改善が必要だ。不動産部門では、BtoC事業である分譲マンション事業を名鉄グループに譲渡した。今後は、当社が得意とするBtoB事業に経営資源を集中し、競争力を強化していく」
--社員の働き方についての考えを
「建設業の主役は人であり、社員の活力がないと顧客や地域社会にとって良い仕事ができない。仕事に誇りを持てて、世の中に役立っていると実感できるように、やりがいの充実に目を向ける。さらに社員同士の信頼関係を醸成し、敬意を抱けるようになれば、一層仕事へのやる気が湧く。社員が生き生きと働ける社内環境づくりにこだわる」
--技術への投資は
「良いものを高効率でつくるための技術開発には積極的に投資する。目覚ましく成長しているAI(人工知能)は重要視しており、フィジカルAIも含めて導入を前向きに検討している」
--人材確保・育成は
「新入社員は現状、必要人数を確保できているものの油断は禁物だ。会社の魅力をより高めていくと同時に情報発信にも力を入れる」
「若手社員には、実務と教育の両輪で成長を促していく。実務では経験を積む機会を増やす。失敗もするだろうが、失敗から学んで大きく成長してほしい。教育は一層の制度の充実を図り、投資は惜しまない。制度の活用を呼び掛けることで、積極的に手が上がる会社を目標としている」
--M&A(企業の合併・買収)に関する考えは
「協力会社をはじめとしたパートナーシップを強化し、新たに関係を結べる企業を増やしていきたいと考えている。M&Aについては、特に首都圏や関西圏での供給力が増し、シナジーが生まれる企業があれば検討していきたい」
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(たけした ・えいじ)1995年3月名古屋大工学部卒後、同年4月矢作建設工業入社。土木技術者として9年ほど現場監督を務めた。前職のコーポレート本部長のほか、不動産事業本部開発一部長や人事部長なども歴任し、幅広い業務で活躍してきた。今後、意識的に取り組みたいことについて「国内外で行ったことのない場所を訪れたい」と語る。愛知県出身。73年3月9日生まれ、53歳。
◆記者の目
「安全と品質、お客さまや地域社会との信頼関係など、これまで大事にしてきたものはこれからも大切にしていかなければならない」と積み上げてきた企業文化の継承を強調する一方で、「時代の流れに柔軟に対応できるよう新しいことにも取り組む」と変化を受け入れる『不易流行』の姿勢を示す。建設業を取り巻く環境は激変し続けている。多様な経験で培われた力強い手腕で、時代の荒波をかき分けまい進する姿に注目したい。
