国土交通省は、改正建設業法の全面施行を踏まえ、一人親方に書面での見積もり・契約を徹底させる対策に一段と力を入れる。工事契約に当たり見積書の提出や契約書の取り交わしをしていない一人親方が依然として多いことから、労務費を内訳明示した見積書の作成など適正な取引ルールの周知を急ぐ。全国建設労働組合総連合とも連携しながら書面での見積もり・契約を促す対策を検討していく。
産官学で構成する建設キャリアアップシステム処遇改善推進協議会の6月25日の会合で一人親方に関する今後の取り組みを示した。
官民で申し合わせた過去2カ年の取り組みをベースに今年度も対策を推進する。一人親方の取引環境の適正化に向けては、説明会などで改正法に基づく新たな取引ルールを周知する。見積書をベースとした価格交渉を促し、必要経費を含む適正な報酬が受け取れる環境をつくる。一人親方の契約実態を踏まえ、全建総連とも連携して適正取引に向けた取り組みを検討する。
国交省が一人親方を対象に2025年11月-26年1月に実施した調査によると、工事契約に当たり「見積書を提出していない」との回答は約6割、「書面契約をしていない」とする回答は約4割を占めた。改正法に規定する労務費などを内訳明示した見積書作成の努力義務について「知らない」と答えた割合も約半数に上るなど、適正な取引が十分に根付いていないのが実態だ。
規制逃れを目的とした一人親方対策にも引き続き取り組む。一人親方が自身の働き方について適正かどうかを判断できる「適正でない一人親方」の目安の策定を検討する。例えば一人親方が10代だったり、経験年数が3年未満だったりする場合は、雇用労働者にもかかわらず一人親方として仕事をさせられている疑いがある。策定した目安に基づいて規制逃れの防止・是正に取り組む。
一人親方自身が適正な請負契約かどうかを確認できる「働き方の自己診断チェックリスト」や、一人親方になるメリット・デメリットを整理したリーフレットの活用も促していく。
