清水建設は、コストパフォーマンスに優れた冷蔵区画と構造形式を採用した新たなパネル冷蔵倉庫システムを開発した。イニシャルコストとランニングコストの双方を抑えながら、冷蔵庫内の有効面積を拡大し、事業性を高めたことが最大の特長。従来型のパネル冷蔵倉庫と比べ、建物高さを最大12%、断熱パネル施工面積を50%、空調負荷を15%削減する一方、倉庫面積を5%拡大できる。
既存の冷蔵倉庫は、冷却空間の構築方法によって「パネル冷蔵倉庫」と「躯体冷蔵倉庫」の2種類に大別される。パネル式は建物内の各階に断熱パネルで囲った区画を設けて冷却空間を形成する方式で、躯体式は壁・床・天井に断熱材を直接施工し、建物内部全体を冷却空間とする方式だ。
一方、国土交通省は過冷却防止と品質保持を目的に、2023年12月、倉庫業法施行規則で定める温度帯を改正、細分化した。これを受け、冷蔵倉庫は躯体式からパネル式への移行が進みつつある。
こうした動向を踏まえ、同社は冷蔵倉庫の設計手法を抜本的に見直し、パネル式と躯体式それぞれの利点を融合した新システムを開発した。建物内側の冷蔵庫躯体「クールフレーム」を、建物外周の躯体「ウォームフレーム」で包み込む二重架構を採用している。
ウォームフレームが地震力を負担することでクールフレームは柱断面の縮小や柱間隔の長スパン化が可能となり、空間効率が向上。また、構造的に独立したクールフレーム全体を大きな断熱パネルで囲むことで気密性と断熱性が高まり、冷却効率の向上につながった。
1日には実用化初弾となる自社開発の冷蔵倉庫「(仮称)エスロジ市川2期計画」(千葉県市川市)に着工した。同施設は賃貸物流施設「S・LOGI」シリーズの第10弾で、シリーズ初の冷凍冷蔵倉庫となる。規模は地上4階建て延べ約1万3200㎡。28年2月の完成、同年3月からの賃貸開始を予定する。
初弾の適用案件では、同じ建築面積の従来型パネル冷蔵倉庫と比べ、建物高さを約1.7m、断熱パネル施工面積を約4500㎡、空調負荷を年間250万円超削減するとともに、倉庫面積を約300㎡拡大する効果を確認している。
