国土交通省は、直轄土木工事で製造時のCO2排出量を削減した「グリーン鉄」を活用する試行工事を始める。初弾として6工事を選定し、鋼矢板や橋梁厚板などにグリーン鉄を採用して製造段階も含めたCO2排出量を調べる。試行工事は今後も順次追加する予定。2030年度以降に地方自治体発注工事も含め公共工事での本格活用を目指す。
グリーン鉄は高炉で使用する石炭の一部を水素やメタンに置き換えたり、鉄スクラップの熔解に電炉を使ったりすることで、CO2排出量を従来と比べて大幅に削減できる。7月21日に閣議決定した日本成長戦略で、戦略17分野のうち官民投資を優先支援する製品・技術に位置付けられた。
試行工事は、経済産業省のGX(グリーントランスフォーメーション)需要創出・カーボンプライシング運営事業と連携した取り組み。グリーン鉄を活用した公共工事のCFP(製造段階も含めたCO2排出量)の算定を調査する。流通市場や脱炭素化の付加価値に関する知見を蓄積し、グリーン鉄の市場形成につなげる。
対象工事は、北海道開発局発注の「令和7-9年度一般国道5号仁木町銀山大橋上部中央工事」、中部地方整備局発注の「令和7年度鵜森三郷排水路整備工事」「令和7年度42号松阪多気BP朝田高架橋鋼上部工事」、中国地方整備局発注の「令和7年度福山道路赤坂東歩道橋鋼上下部工事」、四国地方整備局発注の「令和7-9年度安芸道路黒鳥高架橋上部A1-P2工事」「令和7-9年度安芸道路黒鳥高架橋上部P7-A2工事」の6件。26年度に実施する試行工事は今後も追加する。
脱炭素化のリーディング施策を定めた国交省の「土木工事の脱炭素アクションプラン」を改定し、鋼材の脱炭素化に向けた工程表を新たに追加した。
グリーン鉄について、「供給体制、二酸化炭素排出抑制効果や導入コストなどを考慮しつつ、活用を進める」と明記。経産省と連携して直轄の試行工事を拡大し、30年度以降に公共工事での本格活用を目指すとした。
