【専門家集団として課題対応】
建設事業者の見識や知見を集約し、防衛施設の強靱化推進に寄与することをもって、わが国の平和と安全に貢献することを目的とする防衛施設強靱化推進協会。2024年に16社でスタートした協会の会員数は、今年6月時点で675社に達し、今後もさらに増加する見通しだ。建設業界内でのプレゼンスが増す中、6月の理事会で2代目会長に、築地功飛島建設社長が就任した。活動方針などを聞いた。
--就任の抱負は
「私の役割は、協会を引き続き成長・発展させることにある。これまで行ってきた事業を深掘りして充実させる従来の延長線上の取り組みに加え、当協会でなければできない事業の実施や情報発信の強化を図っていきたい」
「会員数の増加とともに、支部の設置などによって組織が大きくなってきている中、設立時から徹底しているコンプライアンス(法令順守)に加え、ガバナンスの強化にも努めていく」
--これまでの振り返りと今後の展開について
「会員数という規模感だけで組織の重要性を語ることはできないが、着実に会員が増加していることについては、協会の理念や目的、事業内容に対する業界内での理解が進んでいることの表れの一つだと思う」
「設立以来、防衛省や米軍との意見交換会の開催、防衛大臣への要望書提出、防衛省との災害協定の締結・運用、全国8支部の設置などに取り組んできた。これらは協会活動のベースでもあり、引き続き充実を図っていく。5年間で4兆円と見積もられている『施設の強靱化』を円滑に推進するためには、協会の特性をより生かした事業も求められる。防衛施設整備における技術者資格認定制度の創設などに取り組む」
「意見交換や要望などを通して、防衛省にはさまざまな制度改正を行ってもらっている。この取り組みが、より良い受注環境、施工環境をタイムリーに整えることにつながっている。今後も、業界状況や市場動向などを踏まえつつ、必要に応じてさらなる見直しなどを働き掛けていきたい」
「これまでは本省と本部による意見交換会がメインとなっていたが、防衛局ごとの支部の設置が完了し、各地域の課題や特有の事業を背景とした個別要望などを防衛局に直接伝えられる体制が整った。防衛局と支部の意見交換会も積極的に展開していく」
--協会の将来像は
「われわれは防衛施設の整備などに特化した事業者団体であり、今後、各種事業を通じて、防衛施設整備に関する知見やノウハウを蓄積していくことになる。将来的には、シンクタンクとしての役割も担えるよう、設計や施工に関する専門家集団として各種課題に対応していく。また、防衛施設に携わる建設事業者の将来像や在るべき姿、地域の担い手確保につながる取り組み、官民連携の在り方といったマクロ的な議論も重ねていきたい」
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(つきじ・いさお)1987年3月京大工学部土木工学科卒後、同年4月飛島建設入社。土木本部土木技術部部長、技術研究所長などを経て、25年4月から社長兼上席執行役員社長。京都府出身、62歳。
◆記者の目
会長就任に当たり「身の引き締まる思いであると同時に、協会の陣頭に立たせていただくことに誇りを感じている」と率直に語る。協会設立に尽力し、各種活動・事業を早くから軌道に乗せた初代の乘京正弘前会長からは、より良いものを早くつくるための民間各社のノウハウ・意見集約や、ガバナンス強化に注力してほしいと助言を受けたという。これまでは、本省マターの制度面の改善提案が主だったが、施設強靱化事業が各地で実際に動き出した中、「それぞれの建設現場が抱える生の課題」にも向き合う。施設整備を通じて国の防衛に携われる仕事の意義深さも説く。
