コロナ禍のフランスで、ルーブル美術館が閉館を強いられたことがあった。パンデミックを前に従業員が就業を拒否。同国では、危険を前にすれば、労働者が自らの判断で職場を放棄できる「撤退権」が認められている◆命を守るために、会社の指示を断れるか。身につまされるのが、熊本地震後の商業モールのガス漏れ爆発事故である。屋外避難後、テナント従業員などがレジの売上金を金庫にしまおうと戻り、爆発に巻き込まれた◆報道では一部テナントで会社の上司から従業員への指示があったことが分かってきた。ガスには特徴的な臭いが付けられている。危険をうすうす感じながら戻った可能性もある◆翻って現場仕事の建設業。危険な暑さが続く中、命よりも優先される指示・命令はないことを、この機に肝に銘じたい。
