新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は17日、「風力発電等技術研究開発/洋上風力発電等技術開発」のうち次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究として、大林組、大成建設、JFEエンジニアリング、東京電力リニューアブルパワー、神鋼鋼線工業が幹事企業を務める5件の研究開発テーマを採択したと発表した。2030年以降の浮体式洋上風力発電のさらなる低コスト化を見据え、日本特有の自然条件を踏まえた浮体の製造・施工、係留の設計・製造、風車の施工・保守に関する次世代技術の開発を目指す。27年度までに安全性、信頼性、経済性の観点から技術的成立性を評価し、将来の商用化に向けた技術課題、研究開発の方向性を整理する方針だ。
採択テーマのうち、大林組とユーラスエナジーホールディングス(HD)は、TLP(テンション・レグ・プラットフォーム)型ハイブリッド浮体式洋上風車支持構造物の実用化を検証する。係留設計手法の高度化、大水深でのサクションアンカー無人化施工、テンドンコネクターの疲労耐久性を実証するほか、1メガワット級風車搭載浮体の実海域実証に向けた設計、施工、電気設備の検討や浮体構造の合理化も進める。
大成建設と東京電力HD、北海道電力は、コンクリート製浮体の設計・製造・維持管理を通じた低コスト化に向けた技術開発を目指す。15メガワット級浮体の製造実証実験を通じて、高流動コンクリートの打設方法の最適化、材料特性や変形量の把握、部材接合部の構造成立性を実寸大モデルで検証し、各種標準化を進める。
JFEエンジニアリングと清水建設、東京電力リニューアブルパワー、ユーラスエナジーHD、日本海事協会は、モジュール型浮体に導入するピン結合技術とグラウト接合技術を開発するため、設計・製造・施工品質管理方法を整理・検討する。
東京電力リニューアブルパワーと日本海事協会、東京大学は、浮体式洋上風力発電の洋上での風車施工技術・大規模修理技術の開発を目指す。タワークライミングクレーンと施工台船を組み合わせた洋上での風車施工技術の開発に向け、実現可能性を検証する。
神鋼鋼線工業と大阪大学、ニューブレクスは、「光ファイバセンシングを活用した高耐食型鋼製ケーブルによる係留システムの長期モニタリング技術・健全性評価技術の研究開発」を進める。橋梁などでの長期運用実績がある鋼製ケーブルを使った浮体式風力発電向け係留システムの開発を見据え、高耐食性鋼製ケーブルを使った係留システムの設計コンセプトを確立し、その有効性を検証する。
