技術者制度の見直しを話し合う国土交通省の有識者会議で、複数人で施工管理を担う「チーム制」の議論が進んでいる。技術者の担い手不足や働き方の変化を踏まえ、多様な人材が活躍できる環境整備の重要性は増している。チーム制に伴う責任の所在や評価の在り方を議論の焦点とする意見が出ている。
7月13日に非公開で開いた「適正な施工確保のための技術者制度検討会(第2期)」は第7回会合の議事要旨を公表した。
人口減少や働き方の多様化、技術者が担う役割の高度化といった動向を踏まえ、検討会では専任制度や技術者要件などを切り口に、技術者制度の再構築を議論している。
検討会では議論の着眼点の一つに複数人での施工管理を挙げた。現行の「監理技術者制度運用マニュアル」では技術者配置を原則1人が望ましいとしている。今後の建設業政策を議論した有識者勉強会の提言でも「チーム力の最大化」といった視点で制度見直しが必要と指摘した。
検討会の委員からはチーム力の最大化を実現するため、「責任の主体を共同責任とするか、個人の責任とするかについても議論が必要」との意見が出た。施工管理力の評価を巡り、チームと個人との評価の整合や、評価主体の設定の在り方を論点と見る委員もいた。
また、技術者の社会的地位の確立に向け、技術者自身に対する社外や社会からの評価を把握できる仕組みが有用とする声も出た。人材の流動化や処遇向上のニーズが高まる中、技術者の「メンバーシップ」構築が必要などの意見もあった。
技術者が担う職務の法的な位置付けを整理すべきとする意見や、監理技術者・主任技術者の役割が分かる名称の検討を求める声も寄せられた。
議論を深掘りするため、国交省は制度見直しの参考材料を集める調査の実施も視野に入れる。ある委員は現場技術者だけでなく、発注者や専門工事会社、地方中小建設業、設備業界などの意見収集を求めた。また、技術者の居住地や職務上の立場、所属企業の規模、ライフステージなどを考慮した実態把握が重要とする指摘も出た。
検討会は2026年度内にあと3回の開催を予定している。
