国土交通省は、建設業団体による担い手確保と生産性向上の取り組みを一体で支援する事業を2027年度に始める。政府が掲げる戦略17分野の投資を支える建設業の供給力を強化するのが狙い。特に技能者のリスキリングを重点的に進める方針で、職種ごとの教材やカリキュラム整備を支援し、計画的なスキルアップを促していく。
27年度予算の概算要求に新規で「建設産業の供給力強化事業」の関連経費を盛り込んだ。不動産・建設経済局と住宅局で連携して事業を進める。
政府はAI(人工知能)・半導体など戦略17分野で40年度までに総額370兆円超の官民投資を実現するため、工場整備などを担う建設業の供給強化を重視する。建設業団体による担い手確保や生産性向上の取り組みが、中長期にわたる持続的な仕組みとなるよう新たな事業に乗り出す。
事業では業界団体による▽処遇改善▽入職促進▽リスキリング▽DX(デジタルトランスフォーメーション)--の四つの取り組みをトータルで支援する。各団体の取り組みを専門家が伴走支援し、現状の調査・分析や中長期の計画作成などを支える。
特に重視するリスキリングでは、建設キャリアアップシステム(CCUS)のレベルに応じた教材やカリキュラムを職種ごとに整備することを目指す。CCUSのレベルアップを促す教育プログラムを確立し、技能者のスキルアップにつなげていく。
DX推進に向けては、バックオフィス業務を効率化する取り組みを支援する。互換性のないシステムの乱立が業務の負担となっている側面があるため、実態を調べるとともにシステムの開発・実装などを後押しする。施工BIMを活用したフロントローディングも進める。
改正建設業法に基づく労務費の基準を浸透させるため、労務費を内訳明示した見積書作成や価格交渉に向けた体制構築も支援する。入職促進関連では、イベントなどのPR活動や教育機関と連携した魅力発信の取り組みなどを後押しする。
建設業団体が地方自治体なども含めた関係者と連携して取り組むことを想定する。各団体の取り組みを横展開し、建設産業全体での供給力を高めていく。
