全国建設業協会(今井雅則会長)が、都道府県建設業協会の会員1877社の回答を集計した「2026年度発注関係事務の運用状況等に関するアンケート報告書」によると、発注時点における工期の設定状況が「不適正」の割合は、市区町村が12.2%、民間発注者(PFI事業者を含む)が19.0%を占めた。国土交通省は5.7%、都道府県・政令市は8.5%だった。
工期設定に関する問題点は、「関係者との協議や手続きが整っていない」「設計内容と現場条件が乖離(かいり)している」が特に多い傾向にあり、「支障物が未撤去または調査・撤去期間が反映されていない」も比較的多かった。
民間発注者では、「完成時期が最優先され、工事規模・難易度などが現場条件に合っていない」「作業員の休日(週休2日等)が考慮されていない」「猛暑日や猛暑による作業効率の低下が考慮されていない」が多いという特徴が見られた。会員企業からは、「働き方改革で週休2日制を導入したいが、民間工事では金額・工期が優先される状況が続いている」との声が寄せられるなど、発注者理解の獲得が課題になっている。
一方、発注後の工期変更が「不適正」の割合は、国交省が2.8%、都道府県・政令市が4.0%、市区町村が6.9%となり、いずれも1割未満に収まった。民間発注者は13.8%だった。
工期変更が認められなかったケースとしては、「工事の追加や内容の変更に伴う工事量増加・難易度アップへの対応」「設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の不一致への対応」が発注者共通で上位となっている。発注者との協議に時間を要して工事着手が遅れたにもかかわらず、工期変更が認められなかったとの指摘も少なくない。
民間発注者に関しては、「資材の供給遅延に伴う工期変更が認められない」「天災などの不可抗力、想定以上の降雨・降雪、猛暑などの作業不能日、作業効率の低下に対する工期変更が認められない」との回答が、他発注者に比べて突出して多かった。
発注後の工期変更が認められない理由を見ると、国交省、都道府県・政令市、市区町村は「工事予算の執行可能期限が決まっており、変更・繰り越しができない」が最多で、民間発注者は「工事目的物の運用開始日が決まっており、完成日をずらせない」が最多だった。
会員企業からの自由意見によると、公共工事では以前の工期厳守の風潮が変わり、最近は品質・安全の確保や働き方改革の推進といった観点から、現場の実態に即した工期変更が行われるケースが増えてきたという。ただ、工期が伸びても、それに伴う現場管理費や共通仮設費などの費用増加が、十分に認められないケースが依然としてあることも指摘されている。
