【人材の質の向上に力点/建設業はエッセンシャルな仕事】
厚生労働省の村山誠事務次官が日刊建設通信新聞社などの就任インタビューに応じ、「エッセンシャルな分野の人材不足がかねてから指摘される中で、建設業は医療介護、運輸と並ぶ重要な分野と認識している。人手不足に対して、国土交通省が生産性向上策を進めていく一方で、厚労省としては人を育成しマッチングしていく。さらに質を高めていくことによって対応したい」と意気込みを語った。教育訓練給付金や事業主に対する人材確保助成金など支援措置の活用を進める意向を示し、「引き続き所管官庁や業界団体と連携して取り組む」と力を込めた。
建設業の人材確保・育成に当たっては、「成長戦略17分野ではどちらかというと製造業に比重を置いている。製造業に官民投資が集中した際に、工場の増設や産業インフラ整備に建設分野の優秀な労働力が確保されることが極めて重要になってくる。現状十分なのかという強い課題認識を持っている」と指摘した。
2019年以降、順次施行した働き方改革関連法に関しては、「労働時間法制の面で、時間外労働の上限規制という、それまでなかったものを取り入れた。労働力調査で週60時間以上働いている人の割合は、施行前の18年は6.9%だったが、25年には4.2%まで減っている。少なくとも5日間の年次有給休暇の取得に関しても、18年の取得率は52.4%で平均日数は9.4日間だったが、24年には66.9%で平均日数12.1日になった。政府目標の70%まであと一歩まできた。道半ばではあるが、着実に進んでいるのではないか」と成果を強調した。
日本成長戦略で掲げる柔軟で多様な働き方を実現するため、労働時間法制の政策対応を労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論する方針となっていることにも言及し、「秋から労働政策審議会での具体的な議論が始まる。しっかりとした議論を経て良い形でまとめられるよう努力していきたい」と力を込めた。
9月から労働基準監督署による1カ月45時間以内への労働時間削減を求める一律指導を見直した。「時間外労働の上限規制を順守するという基本姿勢を変えるものではない。監督業務にメリハリを付ける趣旨だ」と強調。労使間の合意により特別条項付きの三六協定を結んでいる場合の健康確保措置を確認するとし、「面接指導など労使で話し合われて決めたことについての履行をしっかり確保していくことに力点を置く。同時に、特別条項を含む三六協定の適切な締結相談援助にも取り組む」と語った。
