全国建設業協会(今井雅則会長)が、都道府県建設業協会の会員3781社から回答を得た労働環境整備に関するアンケートによると、変形労働時間制度(フレックスタイム制度を除く)を導入している企業は、全体の約4割を占めた。猛暑対策として夏季に休日を増やすといった気候対応や、年間を通した仕事量の繁閑調整を目的に活用している会員企業が多いという。
変形労働時間は、「1カ月以内で導入している」が8.7%、「1カ月超1年以内で導入している」が30.4%となり、これからを合わせた導入企業は39.1%となった。全建の担当者は「思っていたよりも導入企業が多い」との認識を示す。
また、導入を検討中と回答した企業に改善要望を聞いたところ、「天候に応じて直前または事後的に決められる制度への変更」と「手続き(労使協定・届出等)の簡素化」が特に多く、次いで「発注者や下請けからの理解・協力」「自社適用した場合のシミュレーションの簡素化」「制度運用に関する相談窓口・サポート体制の整備」などを望む声が寄せられた。
改善要望の内容は、未導入の理由ともリンクしている。全体の57.4%を占めた未導入企業にその理由を尋ねたところ、「天候などの影響が大きく計画的な運用が難しい」が最多となり、「勤怠管理が複雑になる」「発注者や下請けとの工程管理の調整が難しい」などが続いた。
時間外労働の罰則付き上限規制が建設業にも適用されてから2年以上が経過し、業界内からは、製造業などとは異なり、労働環境が天候や気候に大きく左右される建設業の実態に即した柔軟な働き方を求める声が高まっている。
そのための方策の一つが変形労働時間制で、全建としても政府・与党に対し、勤務カレンダーを30日前までに定める現行ルールの改善や手続きの簡素化など、制度を活用しやすくする見直しを働き掛けている。
