清水建設は、超高層プロジェクト向けの仮設冷房システムを開発した。空調機メーカーの日本キヤリア(東京都品川区、丸山峰生社長)、制気口メーカーの協立エアテック(福岡県篠栗町、久野幸男社長)との共同で、室内機・室外機一体型の大型仮設クーラーを独自に改良。空間冷却を妨げる放熱を強制的に屋外に排出することで、通風が不足する屋内現場の効率的な冷却を実現した。実用化の初弾は、東京駅日本橋口前で工事が進み、完成後に日本一の高さとなる「Torch Tower(トーチタワー)」で導入している。
これまで多くの建設現場で採用されてきた一般的なスポットクーラー(室内機・室外機一体型)は、冷却時に室外機が熱交換する際の放熱により、結果的に室内温度が上がってしまうという課題があった。加えて超高層ビルでは、外装カーテンウォールの採用などによって屋内への通風が不足するため、夏季における室内温度のさらなる悪化も懸念される。
新たな仮設冷房システムでは、熱交換を行う室外機の排気口と、外装カーテンウォールの通気口(ガラリ部)とを排気ダクトで直接つなげることで、室外機からの排熱を強制的に外に逃がす仕組みとなっている。建設現場で他フロアに運搬・設置するケースを踏まえ、広域に冷風を吹き出せる軽量の段ボール製組み立て式の吹き出し口を導入したほか、室内機から発生するドレン水を室外機に噴霧し、より効率的に熱交換できる機能も搭載した。
実用化初弾となるトーチタワーの現場には、複数台の大型仮設クーラーを導入済み。四隅に各1台、計4台を設置したフロアでは、 100m四方の広大な空間の冷却効果についてデータを収集し、より安全で快適な作業環境の実現に向けた検証を進めている。
