「家族に帰ってくるなと言われているんです」。地方の山中にある現場を取材した際、単身赴任中の技術者に自宅へ帰る頻度を尋ねると、意外な答えが返ってきた◆家族仲の問題かと言葉に詰まったが、理由は違った。会社支給の帰宅旅費が原則給与扱いで課税対象となるため、頻繁に帰宅すれば手取り額が減ってしまうというのだ◆自宅から通えない遠方の現場に従事する労働者にとっては切実な問題で、日本建設業連合会が2027年度税制改正要望の新規項目に挙げた。日本建設産業職員労働組合協議会も非課税化を長年求めている◆国土を守り、未来に向けてインフラを構築する建設業は、プロジェクトごとに現場の場所が変わる特性を持つ。若者に選ばれる魅力的な産業となるためにも、早期に是正すべき問題ではなかろうか。
