雨の日の屋外の屋根なし喫煙所。非喫煙者が立ち入ることは少ないが、あえて本欄で取り上げたい。そこには、一昔前の光景が広がっているのだ◆片手にはたばこ、もう片方には傘。かつてはこうした光景が当たり前だった。今は雨でなければ傘を持つ手にはスマートフォンがある◆ふと、喫煙所に居並ぶ人々に不思議な一体感を覚えた。皆、物思いにふけっているように見えた。スマホは、同じ場所にいながら、それぞれを別の世界へとつなぐ道具でもある。手元にスマホがないからこそ、同じ空間を共有する感覚が生まれるのかもしれない◆建設現場も、最新技術だけでつくり上げられるものではない。人と人が現場を共有し、意思を通わせることが欠かせない。効率化が進む時代だからこそ、喫煙所で感じた一体感も忘れずにいたい。
