【打設から脱型まで】児玉 コンクリートの強度・温度を自動記録するスマートセンサを開発 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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【打設から脱型まで】児玉 コンクリートの強度・温度を自動記録するスマートセンサを開発

 建築資材・金物の専門商社「児玉」(大阪市、児玉直樹社長)は、東京大学大学院工学系研究科の野口貴文教授と共同で、センサーでコンクリートの打設から脱型までの強度発現状況や養生温度を自動記録できる木製型枠対応の「スマートセンサ型枠システム」を開発した。戸田建設が施工する建築現場で施工検証し、データ収集・活用が可能なことを確認した。

木製型枠用センサ現場設置状況


 現場打ちコンクリートでは、養生期間中に現場の立地条件や天候などの影響を受けやすいにもかかわらず、型枠の内側の状況が見えず強度確認などに課題があった。一般的にはテストピースを使って圧縮強度などを確認するものの、実際の構造体の強度ではないという課題もある。

 同社ではこれまで、樹脂型枠や鋼製型枠に対応したセンサーを製品化してきたものの、建設現場全体での使用率が約8割に及ぶ木製型枠に対応したセンサーはなかった。

 新たな木製型枠対応スマートセンサ型枠システムは、型枠にセンサーを設置し、打設から脱型までの施工プロセスを自動で記録する。養生期間中は1時間ごとに強度発現を現場で確認できる。内部温度計測ユニット「オンドミール」と組み合わせれば、温度によるひび割れ対策も可能になる。センサーを1度設置すれば、型枠を繰り返し転用しても機能し、特殊電池を使用しているため約3年間、電源のオン・オフなしで使用できる。非接触型の無線通信を使用するため、配線の手間や断線の心配もない。Wi-Fiなどの通信環境が整っていれば遠隔操作も可能だ。

 戸田建設が施工するRC造9階建ての専門学校新築工事で設置から打設、脱型、データ取得までの一連の流れを検証した結果、データ収集・確認・活用が問題なくできることを確認した。通常の型枠大工の工具で取付可能なことも確認した。

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