過去最高業績が相次ぐ/NTTやDC需要取り込む/情報通信設備3社の25年3月期決算 | 建設通信新聞Digital

5月14日 水曜日

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過去最高業績が相次ぐ/NTTやDC需要取り込む/情報通信設備3社の25年3月期決算

情報通信設備工事大手3社の2025年3月期決算(連結)
 情報通信設備工事大手3社の2025年3月期決算(連結)が13日までに出そろった。各社ともにNTT系の通信キャリア事業に加え、AI(人工知能)の活用などで増加しているデータセンター(DC)の需要も取り込み、収益面ではエクシオグループ、コムシスホールディングス(HD)、ミライト・ワンの全3社が増収・営業増益を達成した。業績の先行指標となる受注高も3社ともに増えている。この結果、全社が受注高、売上高、売上総利益、繰越工事高で過去最高を記録した。エクシオグループ、コムシスHDの2社は営業利益も過去最高を更新している。 企業別に見ると、エクシオグループは増収の要因に、NTT系の工事量がフレッツ光クロスや容量対策で増えたこと、DCやビル、工場の電気工事やNEXCO案件が順調に進捗(しんちょく)したことなどを挙げている。特に、通信キャリアと国内ソリューションが大幅な増益をけん引した。受注高はLTEの容量対策、大型DC案件、企業・自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進案件などの対応で増やした。
 コムシスHDは受注高、売上高ともに、通信キャリアのNTT設備事業やITソリューション事業、DCや道路関連などの社会システム関連事業が好調に推移したため、受注増と増収を達成した。特に、NTT設備事業が好調だった。営業利益は、モバイルを中心にNTT事業の環境が好転し、ITソリューション事業や社会システム関連事業の増収とも連動して増益となった。
 ミライト・ワンもNTT事業やICTソリューション事業、環境社会事業で受注高、売上高を伸ばした。特に、DC関連などの旺盛な需要を取り込むことができた。グループ入りした国際航業の増収効果495億円分を差し引いても、過去最高の売上高になったという。
 完成工事総利益率は、エクシオグループが15.0%(前年同期比0.5ポイント増)、コムシスHDは13.7%(0.4ポイント増)、ミライト・ワンは14.7%(2.8ポイント増)。ミライト・ワンは昨年4月に新設した「ビジネスリスク管理室」での案件のリスクマネジメント強化が奏功し、利益率の大幅な改善に結び付けた。
 26年3月期通期の連結業績予想では、全社が受注増と増収を見込む。営業増益はエクシオグループ、ミライト・ワンの2社になる見通し。